経営戦略を実現するための人事戦略とは
企業の成長と成功の鍵は、優れた経営戦略にあります。しかし、その戦略を実現するためには、人事戦略との緊密な連携を欠かすことはできません。
経営戦略と連動した人事戦略を策定するためには、自社が置かれている経営環境や社内の状況などを押さえておく必要があります。
本コラムでは、変化が急激な時代において、人事部門が経営層から期待される役割と、経営戦略を達成するために人事戦略を策定するメリットや、押さえておくべきポイントをご紹介します。
不確実なことに満ちている世界で、企業のリーダー、市民、政治家、医療従事者など皆が動揺しながらも、なんとか踏ん張ろうと努力しています。
BCon®では多様な人たちと共に、それぞれの専門性や強みを活かし、力を合わせることで、人類が対処すべき難局を乗り越えていきたいと願っています。
そこで、特に私たちと関わりのある研究者や専門家からその知恵を、そしてエールを送って頂きました。
日本および世界の人々を勇気づける、または活動を方向付ける助けになるメッセージを発信していきます。
このようなときに大切なのは、リーダーが組織の中で働く人たちに対して心理的安全を提供することです。これは率直(オープン)で明瞭に物事を伝えたり、相手ときちんと向き合い、そして信頼や希望のシグナルを送ることによってできます。人間の脳は、不確実なことを嫌います。状況をコントロールできなくなることや、社会から疎外されることを恐れるのです。
人間の脳は、仲間をつくり帰属すること(インクルージョン)、貢献したり影響力を発揮すること(コントロール)、そして互いに率直であること(オープンネス)を好みます。私たちの安全と生存を守るのが脳の役割ですから、危機やストレスに直面したときには、現実よりも悲観的に物事を認知してしまうのです。ですから、とくにこういった状況では、リーダーが状況の深刻さから目を背けることなく、しかし落ち着いた穏やかな態度や希望といったものを発信する必要があるのです。
私たちの脳は、常に身の回りの情報を十分に集め、その状況から脱却・進化するための次のステップを計画したいと思っています。それが、組織や会社の戦略なのです。ですから、組織の意思決定や戦略を伝えるときには、なぜそのような意思決定に至ったのかをきちんと説明し、そして状況が変わることがあれば常に情報が開示されるということが理解されていなければなりません。
真実こそが不要な複雑さを取り除く鍵であり、真実こそが問題解決を容易にするのです。
(Truth is the great simplifier)
コミュニケーションをとってください。簡潔で、分かりやすく、「いまこのとき」にやらなければならないことを。そしてメッセージを繰り返し伝え、あなた自身が自分の生活で、その手本となってください。
素晴らしいリーダーは、自分を信じ、自分自身をよく知り、そして物事から目を背けずにありのままの現実を見る。それによって、自らの自信も、他者からの信頼も築くのです。本当の自信とは、自分の弱みや不安もさらけ出し、自分がすべての答えを持っていないことを正直に伝え、それでいながら次に進むべき方向を指し示し、人々に希望を与えます。
一人ひとりが賢く、能力に恵まれ、創造力があり、貢献したがっているということを信じて、より多くのアイディアや機会、あらたな視点を引き出す機会にしていきましょう。組織のヒエラルキーにこだわらず、より多くのアイディアを求めることで、より創造的な問題解決ができると思います。
危機はストレスを創りだします。それは人間の判断力や意思決定力を鈍らせます。ですから自分自身をも大切にし、きちんと睡眠や運動、栄養をとることです。また世の中で何が起こっているかをきちんと知ることも必要ですが、過剰反応し、大量購入や消費を行わないこと。組織の中で情報収集をし、世情をモニタリングする担当責任者を置き、情報の精査を行いましょう。
柔軟性を保ち、興味を持ち続けましょう。適応し、失敗したらまた試みる勇気を持ちましょう。「いまこのとき」にできることは何か、を考えましょう。
他の人に共感を持ち、大切に思い、事実と感情は切り離して考えましょう。
デジタル化はさらに加速しますし、チームは多様性を増していきますから、その中で他者とうまく協働(コラボレーション)し、創造的な解決策を見いだしていく能力はますます大切になってきます。リーダーは、そのような協働が起こりやすい、信頼にあふれる、オープンな職場環境を創らなければなりません。
私たちの脳にはバイアスがかかっているので、問題解決を行うだけでなく、人々の心理的安全を促進するような行動スキルも必要になってきます。
したがって、新しい時代の、新しい仕事環境の中では、これまでとは違う新しいリーダーシップが必要とされるのです。
リーダーにとって最も大切な資質とは、一人ひとりの潜在能力が最大限に活用されるような、インクルージョンの高い環境を創ることだと思います。最新の脳科学の研究によって証明されているとおり、人々が安全でいごこちが良いと感じ、多様性を喜んで受け入れるような職場環境に必要な条件は、信頼関係なのです。
◆メッセージの英文は こちらからご覧になれます
エリサベス・フローディン氏
スウェーデンを拠点に国際的に活躍する組織開発コンサルタント、エクゼクティブコーチ。Differo社代表。
組織の創造性の向上と人財育成を支援している。信頼の文化に支えられた、社会的にサスティナブルで生産性の高い組織を築き、成功へ導くことに焦点を当てている。リーン・マネジメント、神経科学を応用したリーダーシップ開発と脳科学ベースのコーチング、The Human Elementプラクティショナーの資格を持ち、国際コーチング連盟にも加盟している。
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企業の成長と成功の鍵は、優れた経営戦略にあります。しかし、その戦略を実現するためには、人事戦略との緊密な連携を欠かすことはできません。
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ビジネスにおけるエンゲージメントとは、従業員と企業の関係性を表す言葉であり、エンゲージメントが高いということは、従業員と企業が結束し互いに高め合える対等な関係、状態のことを指します。
エンゲージメントを高めることは、従業員にとっても企業にとっても双方に大きなメリットがあり、今後永続する企業を目指す上で欠かすことのできない課題となっています。