~コロナ禍を乗り越えるための知恵とエール~ 世界の専門家からのメッセージ⑥ エリサベス・フローディン氏

不確実なことに満ちている世界で、企業のリーダー、市民、政治家、医療従事者など皆が動揺しながらも、なんとか踏ん張ろうと努力しています。
BConでは多様な人たちと共に、それぞれの専門性や強みを活かし、力を合わせることで、人類が対処すべき難局を乗り越えていきたいと願っています。

そこで、特に私たちと関わりのある研究者や専門家からその知恵を、そしてエールを送って頂きました。
日本および世界の人々を勇気づける、または活動を方向付ける助けになるメッセージを発信していきます。

目次

    エリサベス・フローディン氏メッセージ

    現在私たちが体験しているような危機の最中で、リーダーが大切にしなければならないこと。

    このようなときに大切なのは、リーダーが組織の中で働く人たちに対して心理的安全を提供することです。これは率直(オープン)で明瞭に物事を伝えたり、相手ときちんと向き合い、そして信頼や希望のシグナルを送ることによってできます。人間の脳は、不確実なことを嫌います。状況をコントロールできなくなることや、社会から疎外されることを恐れるのです。

    人間の脳は、仲間をつくり帰属すること(インクルージョン)、貢献したり影響力を発揮すること(コントロール)、そして互いに率直であること(オープンネス)を好みます。私たちの安全と生存を守るのが脳の役割ですから、危機やストレスに直面したときには、現実よりも悲観的に物事を認知してしまうのです。ですから、とくにこういった状況では、リーダーが状況の深刻さから目を背けることなく、しかし落ち着いた穏やかな態度や希望といったものを発信する必要があるのです。

    私たちの脳は、常に身の回りの情報を十分に集め、その状況から脱却・進化するための次のステップを計画したいと思っています。それが、組織や会社の戦略なのです。ですから、組織の意思決定や戦略を伝えるときには、なぜそのような意思決定に至ったのかをきちんと説明し、そして状況が変わることがあれば常に情報が開示されるということが理解されていなければなりません。

    真実こそが不要な複雑さを取り除く鍵であり、真実こそが問題解決を容易にするのです。
    (Truth is the great simplifier)

    コミュニケーションをとってください。簡潔で、分かりやすく、「いまこのとき」にやらなければならないことを。そしてメッセージを繰り返し伝え、あなた自身が自分の生活で、その手本となってください。

    素晴らしいリーダーは、自分を信じ、自分自身をよく知り、そして物事から目を背けずにありのままの現実を見る。それによって、自らの自信も、他者からの信頼も築くのです。本当の自信とは、自分の弱みや不安もさらけ出し、自分がすべての答えを持っていないことを正直に伝え、それでいながら次に進むべき方向を指し示し、人々に希望を与えます。

    一人ひとりが賢く、能力に恵まれ、創造力があり、貢献したがっているということを信じて、より多くのアイディアや機会、あらたな視点を引き出す機会にしていきましょう。組織のヒエラルキーにこだわらず、より多くのアイディアを求めることで、より創造的な問題解決ができると思います。

    危機はストレスを創りだします。それは人間の判断力や意思決定力を鈍らせます。ですから自分自身をも大切にし、きちんと睡眠や運動、栄養をとることです。また世の中で何が起こっているかをきちんと知ることも必要ですが、過剰反応し、大量購入や消費を行わないこと。組織の中で情報収集をし、世情をモニタリングする担当責任者を置き、情報の精査を行いましょう。

    柔軟性を保ち、興味を持ち続けましょう。適応し、失敗したらまた試みる勇気を持ちましょう。「いまこのとき」にできることは何か、を考えましょう。

    他の人に共感を持ち、大切に思い、事実と感情は切り離して考えましょう。

    コロナウィルスが収束した後、世の中はどんなふうになっているか、そしてその新しい時代においてリーダーは何を心がけなければならないか。

    デジタル化はさらに加速しますし、チームは多様性を増していきますから、その中で他者とうまく協働(コラボレーション)し、創造的な解決策を見いだしていく能力はますます大切になってきます。リーダーは、そのような協働が起こりやすい、信頼にあふれる、オープンな職場環境を創らなければなりません。

    私たちの脳にはバイアスがかかっているので、問題解決を行うだけでなく、人々の心理的安全を促進するような行動スキルも必要になってきます。

    したがって、新しい時代の、新しい仕事環境の中では、これまでとは違う新しいリーダーシップが必要とされるのです。

    リーダーにとって最も大切な資質とは、一人ひとりの潜在能力が最大限に活用されるような、インクルージョンの高い環境を創ることだと思います。最新の脳科学の研究によって証明されているとおり、人々が安全でいごこちが良いと感じ、多様性を喜んで受け入れるような職場環境に必要な条件は、信頼関係なのです。

    ◆メッセージの英文は こちらからご覧になれます

    メッセージ者紹介

    エリサベス・フローディン氏
    スウェーデンを拠点に国際的に活躍する組織開発コンサルタント、エクゼクティブコーチ。Differo社代表。
    組織の創造性の向上と人財育成を支援している。信頼の文化に支えられた、社会的にサスティナブルで生産性の高い組織を築き、成功へ導くことに焦点を当てている。リーン・マネジメント、神経科学を応用したリーダーシップ開発と脳科学ベースのコーチング、The Human Elementプラクティショナーの資格を持ち、国際コーチング連盟にも加盟している。

    他の専門家からのメッセージ

    メールマガジンを登録

    組織開発や人材開発の最新の情報やソリューションのご案内をお送りしています。

    オススメのコラム

    リーダーなら知っておきたい「論語」のエッセンス

    リーダーとして大切なこと。それは人間力が備わっていることだとよく言われます。弊社でも、リーダー育成の要は人間力にあると考えています。

    そこで、私たちは人間力を高めるヒントを古典から学びたいと考え、陽明学者であり哲学者であった安岡正篤の孫であり、道徳評論家の安岡定子先生をお招きし、論語について教えていただきました。

    「リーダーの要諦」をテーマに、論語から読み取れる、よきリーダーになるための3本の柱とは何か、そして孔子が語った言葉の意味や背景ついて語ってくださった安岡先生の講演を2回にわたってご紹介します。

    本当のSDGs経営にシフトしよう! 発想を変える、3つのポイント

    SDGs経営を実現するためには、SDGsのゴールに紐づけて事業のポジティブな面だけを整理・評価するだけでなく、地球環境や社会に与えてきたネガティブな影響も客観的に把握することが求められます。

    そしてサステイナビリティの実現に向けて自社が解決すべき課題を特定することが重要です。

    このコラムでは、あらゆる企業にとって重要な課題であり、新たな成長戦略ともなる「本当のSDGs経営」実現に向けた3つのポイントをご紹介します。

    人気のコラム

    人材育成とは何か?職場における効果的な育成手法:1on1ミーティング

    自社、自職場にあった人材育成とは何か?
    人手不足、働き方改革、多様な働き方の広がりなど組織内の状況が大きく変化している中で、改めて人材育成を考え直す組織が増えています。そこで今回は、人材育成について整理して、再検討するための情報をご案内します。
    また合わせて、昨今注目されている人材育成手法:1on1ミーティングについて、実践者の声も交えてご紹介します。

    ※「1on1ミーティング」は、ヤフー株式会社の登録商標または商標です。

    ~コロナ禍を乗り越えるための知恵とエール~ 世界の専門家からのメッセージ② マーティン・リッチ氏

    不確実なことに満ちている世界で、企業のリーダー、市民、政治家、医療従事者など皆が動揺しながらも、なんとか踏ん張ろうと努力しています。
    BConでは多様な人たちと共に、それぞれの専門性や強みを活かし、力を合わせることで、人類が対処すべき難局を乗り越えていきたいと願っています。

    そこで、特に私たちと関わりのある研究者や専門家からその知恵を、そしてエールを送って頂きました。
    日本および世界の人々を勇気づける、または活動を方向付ける助けになるメッセージを発信していきます。