
信頼される組織の鍵は「インテグリティ」―コンプライアンス浸透のその先へ
ガバナンスの体制づくりやルールの徹底といったコンプライアンス浸透に長年取り組みながらも、不正や不祥事、ハラスメント等の課題に悩む組織は少なくありません。これからの信頼される組織づくりのためには、視点を変えて「インテグリティ」を高めることが有効です。
本ページでは、インテグリティとは何か、インテグリティ向上がなぜ信頼される組織づくりと組織の持続的成長につながるのかをご紹介します。

企業の成長と成功の鍵は、優れた経営戦略にあります。しかし、その戦略を実現するためには、人事戦略との緊密な連携を欠かすことはできません。
経営戦略と連動した人事戦略を策定するためには、自社が置かれている経営環境や社内の状況などを押さえておく必要があります。
本コラムでは、変化が急激な時代において、人事部門が経営層から期待される役割と、経営戦略を達成するために人事戦略を策定するメリットや、押さえておくべきポイントをご紹介します。
人事戦略は、経営戦略を達成するために策定される機能別戦略の一つであり、経営を行う上で重要な資本である人的資本を組織内で効果的に活用するための手段です。
人事戦略で扱う具体的な領域としては、要員計画、求める役割/人材要件、採用、配置、パフォーマンス管理、評価、報酬、育成、キャリア管理、などが挙げられます。人事戦略の策定では、これらの要素を経営戦略と一体化した計画に落とし込み、生産性や従業員エンゲージメントなど、人材価値についてのKPIを設定し、戦略遂行につなげていきます。
組織の継続的な成長を後押しするためには、人事戦略を適切に遂行していくことが重要です。

これまでの人事部門は、組織の経営資本である「人材」を管理する役割を担ってきました。しかし経営を取り巻く環境が激しく変化する中で、人事部門へ寄せられる期待は多様化しています。
採用、育成、評価、処遇といった、人材管理のエキスパートとしての役割に加えて、経営のパートナー、社員のエンゲージメント向上、組織変革の推進者といった役割が求められるようになりました。
これまで経験したことの無い取り組みを推進するためには、活動の道しるべとなる人事戦略を持つことは必須であると言えます。そして、既に人事戦略を持っている組織でも、その内容が今の経営環境と合っているか、自社の経営目標達成に貢献できる内容となっているかを今一度確認し、改めて検討することが必要です。
人事戦略を策定する際のメリットを、大きく2つご紹介します。
まず1つ目は、経営戦略の実現に向けて、人的資本を計画的かつ効果的に活用することができる点です。人手不足や定年延長、最低賃金の引き上げなど、企業や組織が直面する課題は増加しています。これらの課題に対して、議論を通じて問題認識を共有し、一貫性のある課題解決につなげることができます。
そして2つ目のメリットは、人事部門がどのような役割を果たすべきかを考える機会を提供する点です。これまで通りの採用や評価制度の運用を担当するだけでは、組織の期待に応えることが難しくなっています。人事戦略の内容を理解し、組織の期待を理解した上で業務に取り組むことは、経営戦略の実現に向けて大きな価値があると言えます。
人事戦略策定とは、事業戦略を支える「人材の現状」と「目指すべき姿」を比較したときに見えてくるギャップを埋めるための計画を作ることです。ここからは人事戦略策定の流れと、スムーズに計画を進めるためのポイントについてご紹介します。

事業戦略の遂行によってなりたい姿を確認し、人事戦略を策定する際に重要な与件となる労働市場の動向や労働関連法改正の動向を予測します。
人事戦略を検討する際には、組織と人材の現状を把握することが重要です。表面的な課題だけでなく、今見えていない組織の課題や、人材の能力や特性を可視化することで、事業の成長をサポートする人事戦略を立てることができるからです。弊社では、組織と人材の現状把握のために、いくつかの診断ツールをご用意しています。
組織効果性サーベイ
組織の活動は、事業環境に適合するように戦略を構築することから始まります。戦略が期待する結果や成果を出すためには、戦略の実行に関わる4つの要素(「業務遂行」「構造」「人材」「組織文化」)の整合性が取れていることが求められます。本サーベイでは、この前提に基づき、組織を効果的に運営する上で押さえておかなければならない観点を可視化し、課題の整理をサポートします。
組織効果性サーベイは、ハーバード・ビジネススクールのマイケル・L・タッシュマン教授が開発した組織モデルをベースに弊社が独自に開発したものです。
| サービスの詳細はこちら:組織効果性サーベイ |
従業員エンゲージメント調査
組織や一緒に働く人々に対して愛着心を感じ、貢献意欲を持って仕事に取り組んでいるかを可視化します。調査結果を踏まえて、会社の制度や仕組みの変革から、職場の人間関係改善まで、各組織の調査結果を基に、悩みに応じた課題解決のサポートをします。
各データを総合的に判断し、不整合が起こっているところは無いか、問題点となっているところはどこかを明らかにすることで、現状を正確に把握することが可能です。
人材傾向分析(コンピテンシー調査)
コンピテンシーと呼ばれる人材が本来持っている根本的な能力(属性)の発揮度合いを調査し「6つのキャリアモデル」※1と「仕事の進め方の特徴」※2の視点から人材を分析し可視化します。組織全体、部門、階層、年齢層などのさまざまな条件から設定し、人材傾向を把握することが可能です。
※1…6つのキャリアモデル
発揮しているコンピテンシーの組み合わせにより、人材を「エキスパート人材」「プロフェッショナル人材」「イノベーター人材」「マネジャー人材」「ビジョナリーリーダー人材」「アントレプレナー人材」の6つのキャリアモデルに分類することで、組織全体もしくは部門や階層、年齢層などの人材傾向を分析します。
※2…仕事の進め方の特徴
仕事における「Plan」「Do」「Check」それぞれにひもづくコンピテンシーを設定します。そして各コンピテンシーの発揮度合いを可視化することで、組織全体、部門、階層、年齢層等の人材傾向を分析します。
従来の人事施策に関するパラダイムの転換と組織風土の改革
パラダイムとは、当たり前とされている考え方や思い込みを指します。人事戦略におけるパラダイムは、これまで組織内で採用されてきた戦略の裏にある組織の価値観を意味します。さらに、パラダイムは組織文化や風土を形成する要素でもあり、時代を超えて受け継がれている場合が多いことが特徴です。
自社のパラダイムを理解するために、弊社コンサルタントは他社の事例を紹介し、自社の現状と比較します。他社との比較を通じて、新たなパラダイムを発見し、今後の成長のために必要な変革を検討します。
タレントマネジメントシステムの活用
タレントマネジメントシステムを導入し、各人材データを個別管理ではなく一元管理することで、人事業務の負荷軽減と業務の効率化を促進することができます。また、さまざまな情報を効率的に引き出すことができるようになるため、必要な情報を迅速に共有しスピーディーな意思決定に貢献します。
弊社では、タレントマネジメントシステムの導入から運用までをトータルでサポートしています。情報を一元化したけれど十分に活用ができないという状況をつくらず、一元管理のメリットを生かし、組織の競争力を最大化するための人材活用をサポートします。
管理者(マネジャーなど)のトレーニングで、マネジメントスキルを向上
新たに策定した人事戦略を浸透させるためには、各現場をけん引する管理者(マネジャーなど)のマネジメントスキル向上を欠かすことはできません。計画が現場でうまく遂行されなければ、人事戦略は「絵に描いた餅」になってしまうからです。現場での「目標設定、実行、評価、フィードバック」のプロセスに一貫性を持たせ、管理者(マネジャーなど)がチームや部下と関わっていくことが戦略浸透のカギになります。
管理者(マネジャーなど)がマネジメントスキルを向上するためには、個々にどのような能力が必要か、何をしなくてはいけないのかなど、自身のマネジメントの現状を理解してもらい、健全にマネジメントサイクルをまわしていくためのトレーニングを実施することが大切です。
人事戦略の変更が大きい場合は、社員の心理的抵抗感が生じやすく、新たな戦略の浸透が難しくなることが予想されます。浸透、定着を促進するためには、ポイントが2つあります。
1つ目は戦略の意図を社員に伝え、理解を促す推進リーダーの育成です。
2つ目は戦略が絵に描いた餅になってしまわないよう、定期的に進捗をチェックするモニタリング指標(KPI)を設定することです。
弊社では、創業以来60年取り組んできた組織開発の手法を活用し、人事戦略策定後の問題解決に対応するノウハウをご提供することができます。組織が一体化し新しい戦略が浸透していくための変革期を、コンサルタントがサポートします。
推進者向けのリーダーシップ開発講座
人事戦略の策定後は、社内への説明を経て運用を開始します。運用時には、現場での実効度合いを定量的に評価するためのKPIを設定します。KPIの設定では、目標が達成可能なものになっているか、設定した期間に無理はないか、短期的な目標達成に向けて着実に取り組める内容になっているか、などを点検します。
本コラムでは、人事戦略は経営戦略・事業戦略の実現を支えるものであること、経営戦略が変わればこれまでの人事戦略も見直す必要が出てくるということ、人事戦略策定と遂行のポイントについてご紹介しました。
事業環境と事業戦略の確認
組織活動の効果性と内部人材状況の分析
人事戦略は出来上がったら終わりではなく、人事戦略を組織内に浸透させ、具体的に遂行していく組織づくりが重要です。弊社では、60年以上の経験から得た組織開発のノウハウ、コンサルティング実績、最新の人材開発に関する理論を基に、人事戦略の見直し、計画、実行、人事制度の構築まで一貫したサポートを提供します。
人事戦略でお悩みがあれば、お気軽にお問い合わせください。

組織開発や人材開発の最新の情報やソリューションのご案内をお送りしています。

ガバナンスの体制づくりやルールの徹底といったコンプライアンス浸透に長年取り組みながらも、不正や不祥事、ハラスメント等の課題に悩む組織は少なくありません。これからの信頼される組織づくりのためには、視点を変えて「インテグリティ」を高めることが有効です。
本ページでは、インテグリティとは何か、インテグリティ向上がなぜ信頼される組織づくりと組織の持続的成長につながるのかをご紹介します。

入社時の導入研修を実施した後、現場配属された新入社員に対してどのようなフォローアップを実施していますか?新入社員の成長を支え、組織への定着を促すために、新入社員フォローアップ研修の実施方法やタイミングを見直す組織が増えています。年間約300組織の新入社員研修を支援している弊社では、新入社員育成に関するお悩みや受け入れ側の課題を数多く伺ってきました。
本記事では、新入社員に対してフォローアップ研修を実施するべき理由と研修の目的を確認し、効果性を高めるために研修に取り入れたいポイントをご紹介します。

新しい環境で働き始めたばかりの新入社員や、少しずつ仕事を任されるようになった若手社員にとって、成果を出すうえで欠かせないのが「ビジネスコミュニケーションスキル」です。ただ話す、聞くといった表面的なやりとりではなく、相手の立場を理解し、状況に応じて的確に伝える力が求められます。成果を上げている人ほど、コミュニケーションを単なる会話ではなく「成果を上げるための手段」として磨いているのです。
本記事では、新入社員・若手社員がこれからのビジネスシーンで信頼され、成果を上げるために必要なコミュニケーションスキルについて、基本から具体的な実践法までを解説します。