MDPご参加者の声:それぞれの課題に応じた「マネジメント力」を学ぶ

株式会社西武ライオンズ
営業部 部長 荒木 浩基 様  

株式会社西武ライオンズ
球団本部チーム統括部長 兼 企画室長 市川 徹 様

プロ野球球団「埼玉西武ライオンズ」を核にスポーツビジネスを展開する株式会社西武ライオンズ様。お二人のご参加者にMDPに参加したご感想を伺いました。

※情報は、取材時2021年9月のものです。


 
営業部 部長 荒木 浩基 様

トップダウンの強いチームを変えていくきっかけとなった

営業部 部長 荒木 浩基 様

  1. 参加当時の役割や業務は? …… 野球を観戦するという一連の体験をより良いものにする役割
  2. 参加当時の課題は? …… トップダウンが強く、意見が出しにくい職場になっていないか
  3. MDPを受講した目的は? …… メンバーの強みを引き出し、主体的な活動を促せるようになりたい
  4. 講座の中で印象に残ったことは?気付き、学びは? …… メンタルモデルを本質的に理解すること
  5. 講座で得たものをどのように生かしていますか? …… メンタルモデル×視座で相手を深く理解する
  6. どのような方にこの講座をおすすめしますか? …… マネジメントの型ができている方に

参加当時の役割や業務は?野球を観戦するという一連の体験をより良いものにする役割

現在は営業部に所属していますが、研修を受けた当時は事業部の部長でした。事業部は、チケット販売やスタジアム警備、ファンクラブ、グッズや飲食の企画・販売やプロモーションなど、ファンの皆さまが楽しみながらプロ野球を観戦いただけるよう、必要な機能を持ち合わせている部署です。試合を通じてさまざまなサービスを行い、ビジネスに変えていくというのが事業部です。私は、その中でも飲食部門とMD部門で、飲食やグッズの設計やマネジメントを中心に行っていました。特に、飲食ではプロ野球12球団の本拠地球場で一番おいしいものを提供したいと考えており、クオリティーとメニュー数にはこだわっています。

参加当時の課題は?トップダウンが強く、意見が出しにくい職場になっていないか

バックネット裏エリアとしては、12球団最大の広さとなるアメリカン・エキスプレス プレミアム ラウンジ
バックネット裏エリアとしては、12球団最大の広さとなるアメリカン・エキスプレス プレミアム ラウンジ

事業部は最終的には売上と利益を創出しなければいけないので、お客さまに支持されるものをプロダクトし続けなければいけません。飲食部門、MD部門は当時12名が在籍する部門でした。私もメンバーと共に企画立案に携わり、毎年業務をブラッシュアップしていくことで、売上は増加傾向で推移していました。

しかしながら、企画設計に関しては、ややトップダウン傾向もあり、ボトムアップから生まれる企画の減少も見受けられるようになり危機感を覚えていました。

個々のメンバーが主体的に新規企画をプロダクトして成果につなげていくためにも、モチベーションを高く業務に取り組める環境づくりが大事だと感じていました。

MDPを受講した目的は?メンバーの強みを引き出し、主体的な活動を促せるようになりたい

メットライフドーム、1塁側のトレイン広場にあるL-train101(エルトレイン いちまるいち)
メットライフドーム、1塁側のトレイン広場にあるL-train101(エルトレイン いちまるいち)

研修の初日に、講座を受講する目的を整理する時間がありました。現状の課題に照らし合わせて私自身は二つの研修目的を持ちました。一つは、「相手を尊重し、意見を引き出すこと」です。メンバー個々の経験や強み、可能性を、意見が言いにくいなど業務環境によって閉ざしてしまわないようにと考えたからです。

もう一つは「相手が私の意見に納得できるようにする」です。時には上の方針で難題を要求せざるを得ないシーンもあります。そのような場合でも、自分の言葉でしっかりと伝えて納得してもらえるようにしたいと考えました。なぜそうするのかを納得し、理解することは結果の質を高めるとともに、個々のスキルアップや経験値の蓄積につながると考えたからです。

講座の中で印象に残ったことは?気付き、学びは?メンタルモデルを本質的に理解すること

私はこの講座でメンタルモデル※という言葉を知り、強く印象に残っています。出される課題を実践する中で「自分がなぜこのような解決策を作ったのか、その背景にはいかなるメンタルモデルがあるのか」ということを学ぶことができました。
※メンタルモデル:先入観・固定観念・仮説のこと

私が参加したのは集合型研修だったので、他の受講者に直接会って相手の表情や態度を見ながらの形式でした。メンバーの中には積極的もしくは消極的な方、論理的もしくは直感的な方などさまざまな人がいました。そのため、研修当初は意見が一方的になったり、全然まとまらなかったりしました。そこで、自分とのメンタルモデルの違いを知ることの大切さや、相手のメンタルモデルを引き出すことの難しさを痛感しました。第一印象と、深く話してみた後では相手の印象がかなり変わります。合意形成を図る上では、相手のメンタルモデルを表面的ではなく本質的に理解することが重要だ、という気付きが印象に残っています。

講座で得たものをどのように生かしていますか?メンタルモデル×視座で相手を深く理解する

メンタルモデル以外に相手の視野や視点、視座を考えるようになりました。メンタルモデルはその人の過去の経験や環境でつくられていて重要です。しかし、それだけで相手を理解するのは無理だとも感じました。なぜなら、その人の立場がメンバーなのか、部長なのか、社長なのかによっても出す答えは違うでしょう。ですから、特に視座ですね。メンタルモデルと視座を掛け合わせることで、違う世界が見えたり、相手を理解することができたりすると思いました。これは本当に研修を受講してから考えるようになりました。

この研修で学んだことは、機会があるごとにメンバーに伝えるようにしています。業務内のコミュニケーションだけではなく、普段から自分の考えや、それに至ったプロセスを説明することで、お互いに対する理解も深まり、会話や会議の質が上がってきていると感じています。この研修だけがきっかけではありませんが、メンバーもいろいろな企画を自発的に考えるようになったり、自分の領域に対する責任感が増したりしていると思いますね。

どのような方にこの講座をおすすめしますか?マネジメントの型ができている方に

MDPの狙いである「情」と「理」のマネジメントはどんなビジネスシーンでも必要になるので、基本的にはどんな方でもこの研修に参加する意味はあると思いました。ただ、私が参加した際は経営層や部長クラスの方が多かったので、同じような立場の方が参加するとより刺激的で良いのではないでしょうか。

私たちは皆、既にメンタルモデルという型ができています。研修ではその型への気付きや、実際は難しいかもしれませんが、その型を破るきっかけはあると思います。実際、私も今から型を破り、明るくてハキハキとした活動的なタイプにはなることはできません(笑)。しかし、新しい気付きはあるので、1日の中でも、1年の中でも、要所要所で掛ける言葉や示す態度などを思い出し、ふとしたときに効果的に使えればいいのではないでしょうか。メンタルモデルを変えるのではなく、自分のメンタルモデルを生かし、相手のメンタルモデルを理解することが大事だと思います。

「情」と「理」のマネジメント

今日のマネジメントにおける要諦。以下2つの側面をバランスを取りながら実行すること。

「情」の側面
効果的かつ生産的な組織をつくっていくこと。ポイントは、組織にいる人々の感情を共感的に理解すること、自身の行動変容が起点となること。

「理」の側面
組織の諸問題を発見し解決していくこと。ポイントは、多面的なものの見方で考えること、自身の価値観やこだわりに気付くこと。


 
球団本部チーム統括部長 兼 企画室長 市川 徹 様

人を動かすマネジメントについて理解できた

球団本部チーム統括部長 兼 企画室長
市川 徹 様

  1. 参加当時の役割や業務は? …… チームの強化を全面的にサポートする部門
  2. 参加当時の課題は? …… こだわりの強い現場に新しい風を吹かせる
  3. MDPを受講した目的は? …… 課題や意欲はあったものの、正直、半信半疑で参加
  4. 講座の中で印象に残ったことは?気付き、学びは? …… 「100%分かり合うことはない」。その上で人と接することの大切さ
  5. 講座で得たものをどのように生かしていますか? …… 理詰めばかりでなく、「情」を意識したコミュニケーションを実践
  6. どのような方にこの講座をおすすめしますか? …… 「自分は正しいことを言っているはずなのに…」と悩んでいる方へ

参加当時の役割や業務は?チームの強化を全面的にサポートする部門

私は、球団の運営をする球団本部に属するチーム統括部の部長として、監督、コーチ、スタッフの運営と強化を担っています。球団本部の目標達成のため、どんな新しい施策を取り入れ実践していくかということと、実現するための人財開発と組織文化の醸成をすることがミッションです。そしてチーム統括部の中に私が室長を兼ねる企画室を含め七つグループがあり、ミッション達成に向けマネジメントをしています。

普段から、ただチームの運営をするだけではなく、付加価値を付けていくことが重要と考えています。そのために、慣例に疑いの目を持って、変えられるところはどんどん変えていこうという球団本部の行動指針を、現場のスタッフやコーチ、監督などに浸透させることを推進しています。

参加当時の課題は?こだわりの強い現場に新しい風を吹かせる

メットライフドーム内観
メットライフドーム内観

現場のスタッフやコーチは、1年ごとに契約更新のある業務委託の方々です。チーム統括部そのものは8名ですが、業務委託の方々は90名ほどいます。元選手の方も多く、主観的な経験や勘は強みですが、縦社会の価値観を持ち、こだわりのある職人かたぎの傾向が強いです。強みの裏返しではありますが、人によっては自分のやり方を大事にし過ぎ、これまでと違う新しい価値観や方法、他者の意見を取り入れることについて苦手な方もいます。大勢をマネジメントしていくこと、その方々に新しい風を吹かせられるかということは、自分にとっての大きな課題でした。2020年10月に部長として着任しましたが、これまで全く性質の異なる別部門にいましたのでチャレンジングな状況でした。

MDPを受講した目的は?課題や意欲はあったものの、正直、半信半疑で参加

正直申し上げますと、研修4日間で何が変わるのだろう、と思っていました(笑)。普段、仕事で人財開発と組織文化の醸成をやっていて、1年2年で終わる話では無いと感じているわけです。ですから、まして4日間で何ができるのだろうと、初めは感じていました。もちろん、球団本部の行動指針とその浸透については、MDPに行く前から課題として立てられていました。受けるなら課題もあるし何か得られるようしっかり受けようという意欲はあった一方で、半信半疑でもあり、受講前はそこまで期待はしていませんでした。

講座の中で印象に残ったことは?気付き、学びは?「100%分かり合うことはない」。その上で人と接することの大切さ

参加前は研修に対する懸念はあったものの、印象に残ったことは数々ありました。同じような立場の方と、社内ではなかなか話せないことを話せたことが良かったですし、ストレートにフィードバックをもらえたことで自分を客観視できました。自分は情熱で突き進むところが良い面と思っていたのですが、同時に悪い面となることもあるのではないかという疑念が確信に変わったので、とてもありがたかったです。

私はコロナの影響もあり、オンライン型の開催に参加しました。雑談や一緒に食事を取るなどの機会がなかったことは残念ですが、特に不都合はなく、良かった面もありました。一つの画面でみんなの表情を見られるという点や、誰か一人をしっかり見ることもしやすいという点です。物の見方や考え方の理解を深めることがテーマなので、この人はどう考えているのかな、と人間観察ができるのはよかったですね。

あとは、スタッフの方から頂いた「100%分かり合えることはない」という最後のフィードバックも印象に残っています。混じり合えない部分があるということを理解した上で人と接していくことも大事だというお話は、自分の中にすっと入ってきました。

講座で得たものをどのように生かしていますか?理詰めばかりでなく、「情」を意識したコミュニケーションを実践

自分のメンタルモデルを知ることと「情」と「理」のマネジメントの二つですね。メンタルモデルに関しては、すぐに生かせるようになったと思います。発言する前に、自分の癖が出ていないかと客観視して考えるようになったと思います。それから、先入観を持たないようにということも意識しています。まだ完璧ではありませんが、人をすぐに判断しないということや、ある人に一度自分で貼ってしまったレッテルも、一度冷静になって剥がしてから相手と話をしてみようという癖は付いてきたと感じています。

「情」と「理」の話も印象に残っています。これは、講座で話を聞いているときには正直あまり分からなかったのですが、全く関係ない本を読んでいるときに、ふとつながりました。「人間は理論で動く動物ではなく、感情で動く動物だ」と書いてあり、「情」と「理」の話を思い出して自分の中ですっと理解できました。私は理詰めで会話する傾向があったのですが、それだと相手は嫌な気持ちになるだけで何も解決しません。どのように感情を刺激して動かしていくかが大事だと、講義とその本を通してよく分かり、今も実践しています。

どのような方にこの講座をおすすめしますか?「自分は正しいことを言っているはずなのに…」と悩んでいる方へ

まず、やる気がある方、というのは前提です(笑)。私がいろいろな中間管理職の方と接する中で感じることがあります。それは、目的は間違えていないけれども、人を動かすマネジメントのやり方を間違えている印象があることです。つまり、言っていることは正しいけれども、それでは部下の方は動かないのではないかということです。すごくもったいないですよね。

そのような状況に対しては、まさに「情」と「理」のマネジメントが活用できます。もし、やっていることは正しいはずなのに「なぜかみんながあまり納得してくれない」「なかなか動いてくれない」と悩んでいる方がいれば、この講座から気付きを得られるかもしれません。

株式会社西武ライオンズ

株式会社西武ライオンズ
©SEIBU Lions
本社
埼玉県所沢市
事業内容
球団経営、イベント向け貸し会場事業
ウェブサイト
https://www.seibulions.jp/