現在、私たちの経済活動や日々の生活は、持続可能な社会を阻害する問題を抱えています。
例えば
- 大規模な森林伐採によって、生育環境が損なわれて生物多様性や光合成の容量が減少し、気候が不規則になるといった損失が増加している
- 海や湖での乱獲で自然を劣化させている
- 地殻から掘り出した石油などの化石燃料を燃やした結果、気候変動につながる二酸化炭素が排出されている
- 自然の中から掘り出された、水銀、鉛、亜鉛などの金属が生体内に蓄積する
- 人間が作り出した自然界にはない化合物、例えばプラスチック製品中の多くの添加物、ごみ焼却の副産物としてのダイオキシンなど濃度が増え続ける
- 労働条件や生活条件が安全ではなく、不健康な状況にある
持続可能性4原則8項目は、上記のような問題を引き起こすことなく、自社の事業活動を行うためのチェックリストになります。
戦略を決める、商品を開発する、取引先を決める、人材育成をするなど、ビジネスを展開する上での方向性をこの持続可能性原則に照らし合わせて進めていく事ができます。
そして、持続可能性原則で自社の事業活動をチェックして、方向づけができたら自社がサステイナブル経営の道を進むための目標設定と具体的なアクションプランが必要になります。
バックキャスティング
目標設定とロードマップ作りに役立つのが、「バックキャスティング」の考え方です。バックキャスティングとは将来を検討する際に「持続可能な社会の姿」を想定し、その姿から現在を振り返って今何をすればいいか、目標とロードマップを考えることができる手法です。この考え方は、長期的視点にたち、利益を出しながら戦略的に組織変革を行うのに効果的な方法です。具体的には以下のような4つのステップで進めます。

ステップA(Awareness)
4つの持続可能性原則、自然のサイクル、ABCDプロセスの方法を理解する。その上で、4つの持続可能性原則に反しないビジョンを作成する。
ステップB(Baseline)
現状を4つの持続可能性原則に照らして分析する。
ステップC(Creative Solutions)
サステイナブルビジョン、戦略を実現するためのイノベーティブなアイディアを案出する。
ステップD(Decide on Priorities)
プランの優先順位をつける。
① そのプランで最終目標に近づくか。
② プランに柔軟性はあるか。
③ 経済的に実行可能か。
このステップは将来あるべき姿を目標として先に定めるので、ロードマップづくりが最大の難所になります。多くの場合、目標を掲げた時点でシナリオが十分でないので、現状とのギャップを可視化し、課題をあぶりだし、行動に移します。チャレンジすることで技術の向上や成功、イノベーションにつながります。
サステイナブル経営とBCon®
弊社、株式会社ビジネスコンサルタント(以下BCon®)がサステイナブル経営の必要性をお客様に伝え始めたのは2010年でした。その後、サステイナブル経営を実践的にサポートするために専門家とパートナーシップを築いてきました。弊社は長年にわたり、組織開発のノウハウを生かしてお客様組織の変革支援をおこなってきました。その知見と経験を生かして、サステイナブル経営の実践を支援しています。
BCon®の強み1:専門的知見を持つパートナーとの提携
専門的知見を持つ先端的なパートナーとのネットワークが、国連でのSDGsの採択(2015年)にも先んじた取り組みの基盤となっています。これらのパートナーシップにより、最新のサステイナブル経営の情報や実践に役立つ知見を持つことができています。またサステイナブル経営の実践をサポートするeラーニングなどのツールも充実しています。
The Natural Step
1989年設立された、世界13か国に拠点を持つ国際NGOです。環境・社会・経済の観点から持続可能な未来を実現するためのビジョンや戦略策定を支援しています。サステイナビリティについてのフレームワークを開発し、1,000名以上の実践者がそのメソッドを共有し、組織・コミュニティのサステイナビリティ実践事例は何百にものぼる。
カール=ヘンリク・ロベール博士
ブレーキンゲ工科大学教授。持続可能な社会の姿を想定し、その姿から現在を振り返って何をすれば良いか考える「バックキャスティング」の考え方の発案者。2000年に地球環境問題のノーベル賞といわれる「ブループラネット賞」を受賞。
Future-Fit Foundation
英国に本拠地を置く非営利団体。人類やその他の生命が地球上で永遠に繁栄し続けられる社会を実現することをビジョンとしています。ビジネスの第一線で厳しい競争をしているリーダーたちが持続可能な経営を進めるのに役立つKPIツール:Future-Fit Business Benchmarkを開発し、無料で提供しています。