「バリュープロポジション」の探索
SXPの3つ目のフェーズ「P (Value Proposition)」では、具体的な価値提案を創出します。一般的にバリュープロポジションといえば、「顧客」「自社」「競合」の3つの円が重なる部分で考えられます。しかし、これからの時代に求められる価値提案は、従来のアプローチだけでは不十分ではないでしょうか。
BCon®では、下図のような独自のモデルを用いて検討を行います。

この図には、2つの大きな特徴があります。
「社会課題に対する姿勢」の追加
従来のモデルでは顧客の要望(①)に含まれがちだった「社会課題」を、独立した重要な要素(③)として外に出しました。サステナビリティやSDGsへの対応が求められる今、社会課題に対してどのような姿勢で取り組むかは、企業の存在意義そのものに関わるからです。
「競合」の再定義
「競合が提供する価値(④)」の円をあえて小さく描いています。これは、「競合=同業他社」という固定観念を捨てるためです。業界の垣根が消えつつある現在、本当の競争相手は全く異なる業界から現れる可能性があります。そのため、既存の競合との差別化ばかりに目を向けることの重要性は、相対的に低くなっていると考えています。
「①顧客の願望」を知り、「②自社の強み」を分析し、「③社会課題」を取り入れ、「④競合が提供できない価値」を提案する。これらが重なり合う中心点が「顧客はなぜ我が社を選択するのか」「顧客は体験から何を得ることができるのか」を明確にする「我が社のバリュープロポジション・コンセプト」となります。
では、SXPの進め方、ビジネスのサービス化のプロセスを、もう少し具体的に見てみましょう。
SXPの実践ステップ
SXPでは、以下の「ステップ0」から「ステップ6」までのプロセスを通じて、サービス化(Service Transformation)と、新たなエコシステムの構築を支援します。

SXステップ0:まずは「カスタマージャーニー」です。ユーザーの立場になり、探求・接触・利用・評価といった一連の流れで起きる行動や感情を徹底的に考えます。
SXステップ1:ステップ0を踏まえ、「なぜ買いたいのか」「使って何を得たいのか」を考え、価値提供の大枠の方向性を定めます。
SXステップ2:単一の商品ではなく、複数の「コト」と「サービス」を組み合わせ、事業化するためのアイデアと、それを実現するための課題・対策を検討します。
SXステップ3:どのようなプラットフォームを構築し、どんなメンバー(パートナー)に参加してもらうべきかを考えます。ここでは直近ではなく、「将来のSWOT分析」を行い、未来の対策を検討します。
SXステップ4:循環型経済(サーキュラーエコノミー)の視点を取り入れ、新たなステークホルダーとの連携や、持続可能なビジネスモデルを模索します。
SXステップ5:重点的に投資すべきサービスを明確にし、足りないコンテンツやパートナーの追加を検討します。
SXステップ6:最終的なまとめとして、ビジネスエコシステム全体のバリュープロポジションを再検討・明文化し、ビジネスモデルの提案書として仕上げます。
「競争」から「共創」へ
サービス化を通じて顧客との「共創」をつくっていく。SXPのコンセプト、あるいは目標は、この「共」という字で描いたサイクルで表せるのではないかと思います。

はじめはBCon®と企業が新たな価値を共に創り出すところから始まりますが、やがて、業界や業種を越えたビジネスパートナーとの共生関係になっていく。その成果として、お客さまにとって最適なサービスが提供され「お客さまが喜び、パートナー企業と共に喜ぶ(共歓)」ことができる。こうしたサイクルが、戦略を展開していくなかで生み出せるような取り組みを目指したいと考えています。
※本稿に記載されている会社名・商品名・サービス名等は、各社の商標または登録商標です。