個人としてコミュニケーションスキルを高める方法
コミュニケーションスキルの向上には、話し方や言葉遣いだけでなく、「非言語(ノンバーバル)」の要素も含めた全体的なアプローチが求められます。ここでは、個人が日々の仕事や人間関係の中で実践できる、ノンバーバル・バーバルの両面からの改善方法をご紹介します。
自身のコミュニケーションスタイルを把握する
コミュニケーションを改善するためには、まず自分自身の話し方や聞き方、態度などの「コミュニケーションスタイル」を把握することが大切です。なぜなら、私たちは日常のやりとりの中で、相手の言葉や態度に対して無意識に反応してしまい、その反応のクセが誤解やすれ違いを生む原因になることがあるからです。例えば、人の話を聞くときに腕を組んでしまう、表情が硬くなりやすい、声が単調になるといった特徴は、自分では気づきにくいです。しかし、これらの行動が「冷たい」「興味がない」といった印象を与えてしまうことがあります。
そこで有効なのが、自分の行動特性や対人傾向を客観的に把握する診断です。こうした診断では、普段のコミュニケーションの取り方やストレスを感じたときの反応パターンを振り返ることで、自分の強みや改善点を明確にできます。例えば、普段は穏やかに対応できる人でも、ストレスを感じると表情や態度が閉じがちになるなど、状況によってスタイルが変わるケースも少なくありません。
このような診断を活用すると、自分の言動がどのように受け取られているかを理解できるだけでなく、他者との違いにも寛容になれるようになります。つまり、自分のスタイルを知ることは、非言語コミュニケーションを磨くだけでなく、対人関係全体の質を向上させる第一歩なのです。
弊社は、自身のコミュニケーションスタイルを把握するための診断ツールとして、「LIFO®」を提供しています。詳細はこちらをご覧ください。
伝わる話し方の“型”を習得する
わかりやすく伝えるためには、話の内容だけでなく、伝え方の“型”を身につけることが効果的です。例えば、PREP法(結論→理由→具体例→再主張)のようなフレームを使えば、話に一貫性と説得力が生まれ、聞き手が内容を理解しやすくなります。例えば、「この施策を導入すべきです。なぜなら工数削減に効果的だからです。実際に前回のプロジェクトでは作業時間が30%減りました。よって導入をおすすめします」といった構成は、ビジネスの現場でも非常に有効です。
また、話すスピードや間の取り方、声のトーンなど、言葉以外の要素も伝わり方に大きな影響を与えます。こうした技術は、日常的なトレーニングを通じて向上させることができます。型を知り、繰り返し使うことで、自信を持って伝えられるようになる——それが論理的で伝わるコミュニケーションの第一歩です。
話す量とタイミングを意識する
コミュニケーションにおいては、「どれくらい話すか」や「いつ話すか」といったバランスも非常に重要です。話しすぎると一方的に感じられ、反対にほとんど話さないと関心がないように受け取られることもあります。例えば、会議や報告の場面で、必要以上に詳しく話すと冗長に感じられ、逆に要点だけを簡潔に伝えると冷たい印象を与えることがあります。大切なのは、相手の反応を見ながら、適切なリズムで話すことです。これが、信頼される社会人としての第一歩になります。
フィードバックを素直に受け止め、行動に移す
フィードバックとは、自分の行動が周りの人にどんな影響を与えているかを教えてもらう、大切なやりとりです。自分では気づきにくい点を知るチャンスであり、成長のヒントがたくさん詰まっています。また、信頼関係を深めるきっかけにもなるため、前向きに受け取る姿勢が大切です。
フィードバックをもらった後にそれをどう行動に移すかは、成長スピードを大きく左右します。例えば、「声が小さい」と指摘されたら、声量や話す姿勢を見直す。「説明が長い」と言われたら、内容を要約するよう心がける。こうした改善行動が重要です。
また、フィードバックをもらった際には、言葉で感謝を伝えることも信頼関係を築く一歩です。「ご指摘ありがとうございます」といったリアクションが、受け入れる姿勢を示すサインとなります。
フィードバックをする側・受ける側の注意点
- フィードバックは評価的であるより状況説明的に行う
- 自分がフィードバックをしていることに責任をもち「私は」のメッセージで行う
- 与える側も受け取る側も双方が、必要性を十分に感じられていることが大切
- フィードバックされる行動があった直後になされることが有効であるため、適切なタイミングで行う
メール・チャットでの表現力を磨く
テキストでのやりとりが増えた現代では、文章で意図を的確に伝える能力がより重要になっています。特にメールやチャットでは、表情や声のトーンが伝わらないため、誤解が生じやすい傾向にあります。そのため、敬語の使い方、目的の明示、箇条書きの活用など、読みやすく明確な文面を心がけることが大切です。また、「ありがとうございます」や「よろしくお願いします」といった一言を添えるだけで、文章に温かみが加わり、信頼関係の構築に寄与します。