LEMSご参加者の声:人事制度の変革を進める前に、経営幹部とともに参加する目的とは

株式会社ゲオホールディングス
執行役員
太田 克己 様

ゲオグループは、レンタルDVDショップ「ゲオ」、リユースショップ「セカンドストリート」など、全国に1900を超える店舗ネットワークを展開しています。「豊かで楽しい日常の暮らしを提供する」という企業理念のもと、変化に挑戦しながら事業を進めています。ゲオホールディングスの執行役員である太田克己様に、LEMSに参加したご感想を伺いました。

※情報は、2022年1月のものです。

  1. 事業とご自身のお仕事について教えてください。 …… 目指すのは“あらゆるモノの循環インフラ”。その中で人事面をリード
  2. 初めてLEMSに参加したときのきっかけは? …… 最初は上海で。現地の幹部育成を考えたこと
  3. LEMSの率直な印象は? …… 当たり前で、大事なことを、再確認できる
  4. 直近のLEMSに参加したときは、どのような課題がありましたか? …… 人事制度改定に際して、幹部と必要な考え方を共有したい
  5. 課題解決のヒントになったことは? …… 人間関係の効果性が、企業活動の結果に影響する
  6. 今後の構想についてお聞かせください。 …… より働きがいを高める仕組みを持った組織をつくりたい
  7. 人事制度の変更には大変な苦労も多いと思いますが、モチベーションの源泉は …… 従業員に向き合い続けて気付いた、人の普遍的な願いをかなえたい
  8. この講座をどのような方にお勧めしますか? …… 「流行」に振り回されない「軸」を持ちたい方に

事業とご自身のお仕事について教えてください。目指すのは“あらゆるモノの循環インフラ”。その中で人事面をリード

「ゲオ」と言えば、屋号と同じ名前のレンタルDVDショップ「ゲオ」ですよね。全国に約1000店舗あり、そのイメージで当社を知っていただいている方が多いのではないでしょうか。私どもはその他にも多くの事業を行っています。例えば「セカンドストリート」は中古品の買い取りと販売を行う総合リユースショップです。いわゆる古着から、雑貨、家具、家電、趣味用品などをオンラインと実店舗で幅広く扱っています。現在、店舗数は700を超え、海外にも展開しています。

組織として目指すのは、“あらゆるモノの循環インフラ” 。その中で、「ラックラック」というオフプライスストアへの挑戦も始めました。メーカーや小売店から、販売時期が過ぎてしまった新品の商品や余剰品を仕入れて販売する事業です。時代変化に合わせて挑戦をし続けることを大事にしています。

セカンドストリートは、700以上の店舗と100万点以上の商品でリユースの価値向上を目指します。

私自身は2020年の夏に入社しました。その頃、当社は事業を再編して再成長を目指そうという時期にあり、それにふさわしい人材開発、組織開発ができる人事制度に変えたいということでした。ですから、人事制度の変革をリードすることが私のメインの役割です。

前職では大手の小売企業グループにいました。そこの労働組合専従役員をしていたとき、組織開発のために、ライセンス※を取って「セルフエスティーム向上プログラム」を利用したのがBConとの最初のご縁です。会社に戻った後は、グループ各社で現在と同じように「人事制度を変える」という仕事を多く担ってきました。

※ライセンスとは

研修を内製化している企業向けに、弊社が長年にわたり活用し、使い勝手の良さや効果性の高さが実証されている理論・モデル・ツールを提供しています。また、社内研修トレーナーの方向けに、実際に研修をする際に必要になる実践的スキルを高めるためのサポートをしています。

【詳しくは「BConの研修内製化支援」のサイトをご覧ください】

初めてLEMSに参加したときのきっかけは?最初は上海で。現地の幹部育成を考えたこと

初めて参加したのは、前職で、労働組合を退任後、中国の青島に赴任したときでした。私は当時、管理本部長で、組織内の教育の一環として利用しました。現地の人事部長にビジネスやマネジメントの考え方について学んでもらいたかったのです。現地のBCon営業担当の方からの提案で、私も一緒に上海での開催へ参加しました。中国には、現地の研修会社による人材開発の研修もありますが、BConは日系企業ですので、安心感もあったことが決め手のひとつです。

LEMSの率直な印象は?当たり前で、大事なことを、再確認できる

「捨てない生活を応援する」総合リユースショップ“セカンドストリート”。

LEMSは、マネジメントの概念を歴史から将来まで、相当長い時間軸で網羅的に整理してくれます。人材開発や組織開発の関連では、いろんな会社が主催する研修に参加してきましたが、このような内容は、他にありません。そして、これまでいくつかの会社で経営に携わってきた人間としては、たまに振り返る時間を持った方がいいと考えています。 「今、われわれはどこにいるのか」と。

今の流行を説明する研修は多くあります。例えばSDGsなどはネットの情報からもおおよその見当がつきます。もちろん、流行そのものは、将来を見通してくれるので大切です。しかし、普遍的な概念かどうかはまだわかりません。

一方で、マネジメント概念は変遷するものですが、中には「今、どうなのか」を考えることができる普遍的な考え方があります。例えば「合致性モデル」は、まさにその典型ですね。でも、われわれは普段、忘れてしまっています。ですから、LEMSで改めて歴史も含めて聞くとハッとするわけです。「そんなきちんとした概念があったのに、それすら自分たちは気付いていないんだな」と。そのような「言われてみれば当たり前」な重要で普遍的な考え方に、LEMSは気付かせてくれます。私は延べ4回受講していますが、その度に気付きがありますね。

直近のLEMSに参加したときは、どのような課題がありましたか?人事制度改定に際して、幹部と必要な考え方を共有したい

社会にも人々にも貢献するオフプライスストア“ラックラック”。

人事制度を変更するというと、世の中では、不具合を修正したり、例えば最近ではJOB型を導入するなど目先の流行を追うような変え方をしたりすることが多いです。しかし、そうではなくて、大事なことは、どのような経営を目指しているのか、どのような会社を目指しているのか、そのためにはどのような人材が必要なのか、なのです。これらを前提に制度を変えた方が良いということを強く感じる経験を何度かしました。

また、人事制度を変えるにあたっては、従業員だけでなく経営メンバーも人間なので、現状の不具合と思われる点に、まず目が行くものです。しかし、制度を変える前に、「こんな理屈で制度設計します」という説明をしなくてはいけません。最初にそれを説明するために最適な仕組み、考え方がLEMSで学んだ「合致性モデル」でした。

2021年に参加したとき、私だけでなく当社の社長、人事部長、組織開発部長といった人事制度の意思決定に携わる人たちにも参加してもらいました。これはまさに、制度を検討するにあたって前提となる「合致性モデル」を知ってもらうためでした。

課題解決のヒントになったことは?人間関係の効果性が、企業活動の結果に影響する

前述した「合致性モデル」は、人事制度を検討する際に、課題を共通認識として持つためにとても効果的でした。

あとは、セルフエスティームやLIFO※などですね。「効果的な人間関係をきちんとつくれていないと、いくら目標設定しても組織は動きません」という考え方は、受講したメンバーにとって印象深かったと思います。LIFOの良いところは「弱みを言わないところ」「強みを出し過ぎてはいけない」「置かれた環境によって診断結果が変わる」ところでしょうか。

セルフエスティームは奥が深いので、LIFOはその途中段階として分かりやすいのがいいですね。自身にどのような行動スタイルの傾向があるのか予備知識が無くても分かります。私は部下に私自身のLIFO診断結果であるLIFOレポートを公開しています。社長もその後の社内研修で執行役員クラスに公開しています。

※LIFO(自己診断を中核とし、人の強みに焦点を当て、強みを生かすための方法論)

今後の構想についてお聞かせください。より働きがいを高める仕組みを持った組織をつくりたい

全国的な店舗ネットワークを誇るメディアショップ”ゲオ”。

当社にはもともと等級と号棒のような賃金表はありました。しかし、等級の概念や等級に合わせてどのように人材を育成していくのか、どうやって等級を決めていくのか、という体系がありませんでした。そのため、当初、同じ等級でもそれぞれの能力レベルがかなり違うなという印象を受けました。

そうはいっても、例えば、必要になれば店長やエリアマネージャーなどの役職者を選び出さなければなりません。しかし、どのような能力要件の人を任用すればいいのかという基準が無いのです。暗黙知は現場にあるのかもしれませんが、判断は人によって違いますし、任用しても、理由を説明できないことになります。

体系無しにここまでの規模の組織を運用してきたのはすごいことです。ただ、環境が変化し、いろんな人が組織に参画しつつある今、制度としてきちんと作ろう、と考えたのです。まず、等級体系を作って能力要件と当該職掌とを連動させる。そして必要な教育や昇格試験を実施して、しかるべき等級に昇格させることで、必要な職位に任用していく、という仕組みを導入することにしました。そのための人事制度を作ったわけですが、結果として任用や評価の部分で公平感、公正感を持ってもらえれば良いなと思っています。

人事制度の変更には大変な苦労も多いと思いますが、モチベーションの源泉は従業員に向き合い続けて気付いた、人の普遍的な願いをかなえたい

やはり、納得感を持って働く、ということは大事です。何がモチベーションかと言われたら、人が納得して働けるようにしたい、ということ。かつて、労働組合時代に従業員からいろいろな不平、不満を聞いてきました。ずっと、なぜそのような思いを抱くのかを考えていました。

表面的には賃金の高さや福利厚生、残業や休みの話が出てくるのです。しかし、話を聞きながら突き詰めていくと、上司の方針や仕事のやり方に対して納得できていない、信頼できていないという話になります。

そこで、だんだんと、人は「何かを信頼したいんだな」「納得して働きたいんだな」と気付いたわけです。

だからこそ、納得できる制度とトップマネジメント層や上司を信頼できるようになる仕組みが求められるのだ、とわかりました。ただ、最終的にその条件を整えるためには対話が必要です。対話が促進できるような仕組みに変えていくとき、セルフエスティームやLIFOを活かすことができます。

制度を変えたから全部良くなるということはありません。ただ、人事制度は従業員の納得感の下支えになるので、きちんと作らなければいけないと考えています。

よく誤解があります。流行の制度にすれば、人材も組織も変わってうまくいく、と。でもそうではなく、逆なんです。やはり「合致性モデル」に戻りますが、どのような経営方針で、どのような人材が必要で、どのような組織を目指すのか。それを下支えできる仕組みの構築をしていきたいと考えています。

この講座をどのような方にお勧めしますか?「流行」に振り回されない「軸」を持ちたい方に

人事領域の専門的な話題も、とても分かりやすく、笑顔を交えながら気さくにお話しいただきました。(取材者より)

流行に振り回されやすい方もいるかもしれません。やはりマネジメントには流行があるので、目には入ってきます。でも、「はやっているから」と取り入れても、結局うまくいかないこともある。

LEMSの良いところは、過去を振り返ってくれるところです。われわれがその都度対応してきた時代ごとの流行についても振り返ってくれます。

時代が変わる中で、今でも残っている考え方がちゃんと整理されていますから、何が流行ではなく普遍的だったのかということもわかります。当時は流行か普遍的かわからなかったものが、後で振り返ると普遍的だったとわかり、「今でも使えるな」ということになります。

例えば、今、1on1ミーティングが注目されていますが、呼び名が違うだけで「個別面談」として昔から取り組んでいる企業はありますよね。OKRも元々はドラッカーが提唱した「目標による管理」と本質は同じで目的と基本原理をベースにした、実務展開上の工夫の一つであると分かります。LEMSは過去へとさかのぼっていくので、今の位置を確認できるという効用があります。「流行」に振り回されない「軸」を持ちたい方にお勧めです。

株式会社ゲオホールディングス

 
本社
愛知県名古屋市
事業内容
メディア事業、リユース事業、オフプライス事業、モバイル事業、アミューズメント事業、オンラインサービス事業
従業員
5,324名(グループ全体)
ウェブサイト
https://www.geonet.co.jp/