ODネットワークジャパン年次大会に参加しました

2025年10月3日に開催されました、ODネットワークジャパン年次大会にて、ポスター発表を行いました。弊社が同大会で発表をするのは、2012年から今回で11回目です。
ODネットワークジャパンは、組織開発(OD: Organization Development)にかかわる実践者と研究者がネットワークでつながり、ともに学び、効果的で健全な組織づくりに向けて協働するコミュニティです。
2025年は、「両極から考える組織開発」〜新たなテクノロジーと人間の役割〜というテーマで年次大会が開催されました。基調講演やワークショップのほか、複数の団体がポスター発表を行いました。
「人とテクノロジーの力を組み合わせて未来を描く組織開発」をポスター発表
弊社では「人とAI・テクノロジーの力をどう組み合わせれば、もっと良い未来を描けるか?」をテーマに取り組んだ、組織開発の実践を紹介しました。
AIと人の共創で描く未来のビジョン:組合の組織開発におけるテクノロジーと身体性の融合事例
組合員数1万人規模12支部の自動車関連労働組合様にて、上位概念策定(ミッション・ビジョン・バリュー)をお手伝いいたしました。取り組みは約10カ月かけて進行中で、ポスター発表では、フェーズ1に焦点を当ててご紹介しました。
フェーズ1のワークショップは、「フューチャーサーチ」と呼ばれる大規模対話の一つのアプローチにのっとって進めました。
フェーズ1 ワークショップのステップ
参加者がより自分らしく自分の意見・思いを表明し、なおかつそれぞれの支部でのミニ対話を効果的に実施して、話されたことを次の検討に生かすため、アナログ・デジタルでさまざまな仕掛けをしました。
効果的な対話にするために用いたツール
グラフィックレコーディング
その場で話されたことに加えて、感情の動きまでもイラストによって可視化する手法です。弊社営業社員が行いました。毎回グラフィックを作成しては壁に張り出し、次の会でも前の模造紙を張り出すことで、記憶のフックとして役立ちました。
MIRO(オンラインホワイトボード)
対話における問いやグラフィックレコーディングは、すべてオンラインホワイトボードに掲載しました。MIROを活用することで、対話で話されたことやその場の雰囲気を支部のメンバーに伝えることが容易になりました。さらにそれぞれの支部での話し合い結果もMIROに記録を残し、対話の場をつなぐ役割をMIROが担いました。
UMU(学習プラットフォーム)×生成AI/MIRO×生成AI
1日の終わりには各自の感想などをUMUに入力、生成AIで類型化することで、即座に全体の声を分類し共有しました。
また、MIROに記録された各支部の話し合い結果も、ChatGPTで要約。次のワークショップでフィードバックされました。
多くの声から全体としての意味を捉えるために、生成AIならではの利点を生かしました。
身体性を重視した場の運営
コンサルタントは、対話を進行することに加えて、話しやすい雰囲気づくり、一体感醸成のために参加者へ働きかけました。さらに、スキット(即興劇)での表現、馬蹄形や車座などの座り方の工夫といった会場のしつらえに至るまで、参加者の身体性を大事にしながら、話し合いの熱量を高めるかかわりに徹しました。
このような取り組みにより、組合員の方々の参画意識を高めることができました。「自分もかかわった」「自分たちのものだ」と思える組合のミッション・ビジョン・バリューを策定するうえで、意義深いプロセスとなったことと考えます。
まとめ
対話の場のファシリテーションという、コンサルタントが従来から培ってきた技術に加えて、さまざまなテクノロジーを組み合わせることで、大規模組織における意見集約や意思決定をより効果的に行うことができます。
人とテクノロジーの力をかけ合わせながら、「自分たちの未来」をともにつくる。
そんな組織づくりにご興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。