
これだけで十分!プロが選ぶ従業員エンゲージメント7つの指標
従業員エンゲージメントを高めたいと考えたとき、まず大切なのは、今の状況をきちんと把握することです。ただ、「何を指標に現状把握すればいいのか」と迷う方も多いのではないでしょうか。目に見えにくいエンゲージメントだからこそ、適切な指標で丁寧に捉えることが大切です。今回は、これまでに約9万人が活用してきた、エンゲージメントを測るための7つの指標をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
不確実なことに満ちている世界で、企業のリーダー、市民、政治家、医療従事者など皆が動揺しながらも、なんとか踏ん張ろうと努力しています。
BCon®では多様な人たちと共に、それぞれの専門性や強みを活かし、力を合わせることで、人類が対処すべき難局を乗り越えていきたいと願っています。
そこで、特に私たちと関わりのある研究者や専門家からその知恵を、そしてエールを送って頂きました。
日本および世界の人々を勇気づける、または活動を方向付ける助けになるメッセージを発信していきます。
ソーシャルメディアには、現在のコロナウイルスのロックダウンに関する不安、ストレス、懸念への対処方法についてのアドバイスにあふれています。ウィルスの拡散を防止したり、弱い立場にいる人々を保護すること、そして過酷な状況におかれている医療従事者や医療施設に防護服などの医療物資や医療機器を提供するといった対策は極めて重要です。
このような危機への緊急対応が必要な中で、私たちはCOVID-19のパンデミックに対処するためのもう一つの選択肢を検討することができることをお伝えします。
これを機に、世の中がうまくいっていることに気づいたり、私たちが当たり前だと思っていることが多い「勝利」について考えてみることができます。
すべてが順調で、人生が計画通りに進んでいるときに満足するのは簡単です。それを受容することが当たり前になり、その安易さは自己満足を生みだしがちです。
その一方で、予測不可能であいまいな状況が、日々私たちを取り巻く数えきれないほどの「よいこと」を確認する時間を提供してくれています。困難な時に感謝の気持ちに気づき、それを伝えることは、賢明だというだけでなく、健康にとってもよいことです。いくつかの調査研究がその理由を裏付けます。
ある研究では、大学のクラスの学生の半数に、「毎日感謝していることを3つ」日記に書くことを宿題にしました。残りの半分の生徒は、1日の間に遭遇した「出来事や問題」を3つ書くことになっていました。 その学期末にいくつかのテストを行いました。
まず、すべての生徒にインフルエンザの予防接種が行われました。 一週間後、感謝の日記をつけている生徒は、他の生徒よりも多くの抗体を持っていることが判りました。感謝の日記をつけた学生は、1週間で抗体の差として検出可能なほど健康になっていました。
また他のテストとして、学生にあるものを記憶してもらい、その後「精神的能力テスト」を受けてもらいました。感謝の日記をつけた学生は、このテストの得点が他の生徒よりも統計的に有意に高い結果となりました。
さらに学生には創造性の課題が与えられました。例えば、レンガやピンポン玉を提示し、それがどんな用途に使えるかを出来るだけ沢山考えるというものです。ここでも、感謝の日記をつけた学生とそうでない学生の間には、有意に大きな差がありました。
心臓病患者を対象とした別の研究では、半数が8週間感謝の日記をつけるように割り振られ、残りの半数は感謝の日記をつけませんでした。 8週間目の終わりに、感謝の日記をつけた患者は、心臓の病の悪化が少ないだけでなく、エビデンスとして心臓の健康状態に実質的な改善があらわれました。
さらに別の研究では、風邪ウイルス(ライノウイルス)にさらされた人は、毎日感謝の気持ちを持っている状態にした場合、ウイルスに屈して風邪をひく頻度が他の患者の半分以下になりました。
大切なのは、感謝の気持ちを身につけることで、肉体的にも、感情的にも、精神的にも、より健康になることができるということです。 特にストレスや不安に圧倒されてしまう時代に、単純な処方箋があるとしたら、それは私たちの周りにある感謝を数えあげることです。感謝する価値のあることが身の回りに起こっていることに気づくことです。
私が知っている、何千人もの社員がいる組織では、従業員一人ひとりが毎日、感謝の日記をつけるように求められています。
ある著名なCEOは、毎日時間をかけて、組織内のさまざまな社員に感謝の気持ちを表す5つのメモを書いています。
別のCEOは、毎日誰かを積極的に“気まずい”思いをさせるように社員に指示しました。“気まずい”というのは、その人のことを気にかけている人の前で、褒めることです。その指示は、他者の行動の何に感謝すべきかに人々が気づくためになされたものでした。
また、私は乳がんと診断され、余命半年と宣告されたある企業の役員と親しくなりました。彼女は、もう半年しか余命がないのであれば、素晴らしい半年にしようと決心しました。
彼女の戦略は、彼女が “完璧な瞬間”と定義したものを共に分かち合っている人にアプローチすることでした。彼女はそれぞれの人と連絡をとり、お互いに共有した完璧な瞬間とそれが自分自身に与えた影響を簡単に伝えました。
彼女の癌は現在寛解しています。これは非常にインパクトのあることだったので、今では毎週末に1時間かけて夫とその週の完璧な瞬間を共有しているのです。
この危機の中で、感謝を感じたり、完璧な瞬間に気づいたりする機会とはどういったものでしょうか?考えられるものは、次のようなものです:
ネガティブなこと、困難なこと、不便なことに焦点を当てやすい時期である今、「感謝」に焦点をあてることが、危機を乗り切るための最も効果的な方法の一つなのかもしれませんし、実際によりよい状態になる方法かもしれません。
◆メッセージの英文は こちらからご覧になれます
(参考文献)
(1) Emmons, R.A. (2008) Thanks! NY: Houghton Mifflin.
(2) Mills, P.J., Redwine,L., Wilson,K., Pung, M.A., Chinh, K., Greenberg,B,H., Lunde,O., Maisel,A., Raisinghani, A., Wood, A., and Chopra, D. (2015). The role of gratitude in spiritual well-being in asymptomatic heart failure patients. Spritual Clinical Practice, 2: 5–17.
(3) Cohen, Sheldon. (2016). The Common Cold Project: 5 Studies of Behavior, Biology, and the Common Cold. Ann Arbor, MI: Inter-university Consortium for Political and Social Research [distributor], 2016-09-02.
https://doi.org/10.3886/ICPSR36365.v1
キム S・キャメロン博士
ミシガン大学ロス・スクール・オブ・ビジネスの組織論の教授。同大学教育大学院高等教育学の教授を兼務。
高いパフォーマンスを生み出す組織内のポジティブ・ダイナミクスに関する研究がメインテーマ。北米、アジア、ヨーロッパ、そしてアフリカのさまざまなビジネスや政府、そして教育機関向けに、コンサルティングを行っている。これまで研究分野である組織の有効性、組織文化、組織的美徳、ダウンサイジング、そして有効なリーダーシップ能力開発は、120を超える研究論文と14冊の本として出版している。
邦訳『組織文化を変える』(共著、ファーストプレス、2009年)。ブリガム・ヤング大学卒業後、同大学修士課程修了。イェール大学修士課程と博士課程修了。
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