
60年の経験から見出した従業員エンゲージメントが高い企業の特徴
近年、優秀な人材の定着、生産性の向上、そして持続的な組織成長を目指す上で、「従業員エンゲージメントの向上」は多くの企業にとって不可欠なテーマとなっています。
本コラムでは、エンゲージメントが高い企業に共通する7つの特徴と、それらを踏まえて今後取り組むべき具体的な実行ステップをご紹介します。
日本で「働き方改革」が話題に上るようになって久しいですが、DXや競争環境のさらなる激化によって、ますます重要性が高まっています。
働き方改革を推進するに当たっては、2つの観点を持つことが重要です。1つは、組織の労働生産性を高める「生産性向上」という観点。そしてもう1つが、業務に取り組む従業員の幸福感や充実感を指す「ウェルビーイング」という観点です。
今回は特に「生産性向上」に焦点を当て、その概要を押さえつつ、取り組みの進め方をご紹介します。
働き方改革に重要な2つの観点、「生産性向上」と「ウェルビーイング」とは、どのようなものでしょうか。
本コラムで「生産性向上」は、企業活動における労働生産性を向上させるという意味合いでご案内します。
労働生産性は、従業員一人ひとりの仕事によって生み出される価値(付加価値)の大きさを指し、業務の効率性を測る尺度となるものです。
生産性向上のためには、仕事量に対して得られる成果が小さく付加価値が低い業務を断捨離(廃止)し、より付加価値の高い業務へとシフトしていくことが求められます。
また、現時点で取り組んでいる仕事を可視化し、業務の無理・無駄・むらを削減するための改善を積み重ねていくことも生産性向上につながります。
ウェルビーイングとは、簡単に言うと「幸福な状態」のことを指します。ただ、一時的な「うれしい」「幸せ」といった感情ではなく、身体的、精神的、そして社会的にも満たされた、より長期的に感じる幸せのことを指します。
従業員のウェルビーイングが高い組織は、一人ひとりのパフォーマンスを向上させることができ、組織力の強化や生産性の向上にもつながります。
働き方改革を進める上で、生産性向上は不可欠であり、非常に重要です。しかし、生産性向上だけに偏った取り組みを進めてしまうと組織全体や、そこで働く個人が疲弊してしまいます。
そのため、長期的な視点を持って働き方改革を進めるためには、生産性向上とともにウェルビーイングを意識した組織づくりが非常に重要になります。
近年、生産年齢人口の減少や競争環境の激化、働き方改革を推し進める法改正などにより、企業の生産性向上がより強く求められるようになりました。
経営における生産性とは「投入した経営資源に対し、どの程度の付加価値を生み出せたのか」を意味します。投入する経営資源が小さく、生み出す付加価値が大きいほど、生産性が高いということになります。
ですから、生産性向上の概念は下図のような分数で表現できます。
生産性向上を推進するための3つのアプローチ、「業務改革」「業務改善」「職場の風土改革」をご紹介します。
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業務の無駄を削減し、生産性向上を目指す方法です。
業務改善は、既存の業務が価値のあるものという前提で、主にその手段や手順(プロセス)の見直しを行います。大きく分けて、既存業務の可視化→分析→改善のステップで進めます。
業務改善には可視化(見える化)が必要不可欠です。各業務の内容やプロセス、目的、成果物の役割などを整理し、業務の詳細が「見える(把握できる)」状態にすることで、費やされる時間やコストを計ることができ、改善の手を打てるからです。
生産・製造現場と比較し、間接部門の効率化はほとんど進んでいないといったケースが多く見受けられます。リモートワークが定着しつつある昨今、生産・製造現場だけでなく、間接部門における業務フローを改善することが大きな生産性向上につながります。
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ここまで生産性を上げるためのアプローチとして、業務改革、業務改善をご紹介してきましたが、この2つの方法を理解し実施しても、業務の無駄が減らず生産性向上につながらないことがあります。その原因の多くは、変化を妨げる職場風土に起因します。
業務改革や改善を効果的に進めるために、職場の風土(共有されている感覚や価値観)を変え、生産性向上を目指す方法です。
たとえば、業務時間内で高い成果を上げる社員Aさんがいたとします。しかし、遅くまで残って仕事をしている社員が「頑張っている」と評価されるような職場では、Aさんは十分に評価されないでしょう。その結果、本来なら定時で終業できるAさんも遅くまで残るようになってしまえば、職場の生産性向上は進みません。
このように、職場風土はメンバーの行動、そして生産性に大きな影響を及ぼします。裏を返せば、職場風土を改めてメンバーの行動を変え、生産性を高めることもできるはずです。
職場の風土改革は、メンバーにより良い影響を与える環境づくりとも言えます。
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冒頭で触れたように、生産年齢人口の減少、働き方改革推進・法改正といった背景から、生産性の向上は企業にとって重要な課題となっています。その解決を図る3つのアプローチとして「業務改革」「業務改善」「職場の風土改革」をご紹介しました。
しかし業務改革や業務改善、職場の風土改革によって得られる成果は、生産性の向上だけにとどまりません。
業務の効率化によって残業が減り、余裕のある人員体制で休暇を取りやすくなれば、従業員のワークライフバランスが整います。また以前から着手しようと思っていたことに時間を使えるようになることで、仕事に対する満足度やモチベーションの向上も期待できます。
つまり生産性向上を目指す業務改革・改善、職場の風土改革もまた、企業価値を高めるための取り組みなのです。
こうした成果を生み出すには、生産性向上だけではなく、従業員が自らの仕事を通して満足感・充実感を得て、幸福だと感じられる環境をつくることも必要です。そこで求められるのが、働き方改革を推し進めるもう1つの観点である「ウェルビーイング」です。
ウェルビーイングの詳細や、実現のための具体的な方法については、また別の機会にご紹介いたします。
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近年、優秀な人材の定着、生産性の向上、そして持続的な組織成長を目指す上で、「従業員エンゲージメントの向上」は多くの企業にとって不可欠なテーマとなっています。
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近年ますます顕著になっている人手不足を背景に、多くの組織が人材獲得に力を入れています。その中でも新卒採用は年々難しさを増し、せっかく採用できた人材の早期定着と活躍支援が、人事部門においても管理職・先輩社員においても、重要な課題となっています。
こうした背景を踏まえ、ビジネスコンサルタントでは2025年度より新入社員アンケートを刷新し、調査を実施しました。弊社独自の「適応モデル」に基づき、新入社員が組織に早く適応し、成長していくために、自身の現状をどのように認識しているのか、そして組織・上司・同僚に対してどのような期待を抱いているかを把握できる内容となっています。
本コラムでは、調査結果の一部を抜粋し、全体傾向についてご紹介します。
企業の成長と成功の鍵は、優れた経営戦略にあります。しかし、その戦略を実現するためには、人事戦略との緊密な連携を欠かすことはできません。
経営戦略と連動した人事戦略を策定するためには、自社が置かれている経営環境や社内の状況などを押さえておく必要があります。
本コラムでは、変化が急激な時代において、人事部門が経営層から期待される役割と、経営戦略を達成するために人事戦略を策定するメリットや、押さえておくべきポイントをご紹介します。