BCon Info 11月号  国際ポジティブ心理学の大会にみる「幸せ」の作り方(2)

おはようございます、BCon萩原です。

9月号に引き続き、7月13日~16日にカナダのケベック州モントリオールで開催された国際ポジティブ心理学の学術団体、International Positive Psychology Association(IPPA)からポジティブ心理学の潮流をお伝えします。

 BCon Info 9月号  国際ポジティブ心理学の大会にみる「幸せ」の作り方(1)

 

「ポジティブ心理学」は、マインドフルネスなどとともに、最近急速に目にする情報が増えてきたとお感じの方も多いのではないかと思います。そこで、ビジネスパーソンのためのポジティブ心理学の基礎と最新動向をご紹介します。

求める「幸せ」の種類によって健康寿命が変わる!?

ポジティブ心理学では「幸せ」を2つに分けて考えています。
これは古代ギリシアの哲学から議論されているものですが、「Hedoniaヘドニア」と「Eudaimoniaユーダイモニア」です。

 


幸せの種類 ヘドニアとユーダイモニア

 

ヘドニアというのは「快楽追求型」で、美味しい料理を食べている時に感じるような一時の感覚的な幸せを指します。五感を通した幸せで、短期的な幸せと言われています。

そしてユーダイモニアは「生きがい追求型」で、自己実現や生きがい、人生の意味と関わる幸せのことです。意義ある目標に向かって楽しいばかりではない、困難にも立ち向かいながら生きている人生に幸せを感じるというものです。

 

どちらも、脳においては「幸せ」と感じられるので、どちらが良い悪いということはありません。しかし最近、追い求める幸せの種類によって、遺伝子の発現には異なる影響を与えることが分かったそうです。

コール博士は事前に研究の協力者にアンケートをとり、どちらの幸せを追求しているのか調べ、その後、その方々の遺伝子発現を調べました。

結果、生きがい追求型(ユーダイモニア的幸せ)の人は、CTRA反応が低かったそうです。つまり、炎症反応に関する遺伝子の発現は少なく、免疫力や抗ウィルス力は高い状態でした。一方、快楽追求型(ヘドニア的幸せ)の人はストレスが高い人と同じく、CTRA反応が高いという結果でした。

幸せの種類による、脳と遺伝子への影響

どちらの幸せも脳にはプラスの影響、しかし遺伝子の発現にはユーダイモニアのみが好影響自分を振り返ってみると・・・美味しい食事やおやつに目がない私は健康にはなれないのかなと残念な気持ちになりましたが、なんと解決策も博士は提示してくれました。

免疫力を高めるための幸せ習慣とは

コール博士は、次のような研究も行いました。
研究協力者に4週間にわたって、次のような行動を毎日とるようにお願いしました。

1. 普段と変わらない生活
2. 世の中に向けた親切な行動を1日3回とる
3. 他者へ親切な行動を1日3回とる
4.自分への親切な行動を1日3回とる

 

4週間続けた後にCTRA遺伝子群を調べてみたところ、「3.他者への親切な行動を1日3回とる」を実践した人のみがCTRA反応を不活性にする効果がありました。

 


CTRA反応の活性度の違い 反応が不活性=炎症反応少なく、免疫力が高い

 

「人への親切行動」、そんなに難しいことではないのに、とてもパワフルな効果があるのですね。家族や職場の同僚へのちょっとした親切行動を習慣にすれば、人間関係も良好になり、仕事がうまく進み、自分も健康になるなんて、これは実践しない手はないと思います。

ポジティブ心理学にはすでに「幸せ」につながる習慣的行動についての研究が蓄積され、実践への応用が進んでいます。今回のセッションでは、新たに「幸せ」が遺伝子の発現レベルへ影響をあたえ、健康にも直接的に影響を及ぼすという研究結果にとても驚かされました。

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