BCon Info 8月号  国際カンファレンスにみる人材育成の潮流(3)

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2017/ 8/ 29 ━━━┓
  ◆  国際カンファレンスにみる人材育成の潮流(3)  ◆
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おはようございます。BCon萩原です。
今回も引き続き、5月21日~24日にアメリカのジョージア州アトランタで開催
された国際的な人材育成カンファレンス、The Association for Talent
Development(ATD)から人材育成の潮流をレポートします。

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   ◆ つながりが生みだす学び ◆  
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先月のメールでは、ソリューション営業におけるマイクロラーニングの活用の
ご紹介をしました。
今回はそれを成功に導いた「ソーシャルラーニング」についてご紹介致します。

ソーシャルラーニングは数年前からATDでは話題になっている学習の在り方です。
ソーシャルラーニングの前提にあるのは「コミュニティー」です。
コミュニティというのは、ラテン語が語源で“他の人と何かをする”場所を示す
ものでした。今では、「互恵性」「利他的」などの意味も含まれるようです。
これがどのように学びに関係するのか疑問に思われるかもしれません。

ハーバード大学のリチャード・J・ライトは学びに関する興味深い研究を
しています。
高等教育において学生が学びに成功する最大の要因について研究したところ、
それは教授の教授法ではなく、学生たちの知能指数でもなかったそうです。
実は、小さな学習グループに参加したり、そのグループを作ったりする
能力でした。
学習グループに参加していた人たちは、そうでない人に比べて、たとえそれが
1週間に1回であったとしてもひとりで勉強した人より多くを学んでいたそうです。

学びは、基本的に一人でするものではなく、社交的な行動だということが発見
されたのです。今までの学校教育で、「私語は慎むように」と言われたのは
何だったのかと思ってしまいます・・・。

お互いの信頼のもとに、お互いから学びあう場所、教える側と教えられる側の
境界があいまいな学びのコミュニティーによる学習は個人だけでなく組織として
の学びを加速する良い方法としてATDでは紹介されています。
確かに、何かを学ぶときには同じような環境にある人から話を聞きたいと思う
ものですよね。今はSNSやソーシャルメディアによって、遠隔にいる人とも
学びのコラボレーションが出来る時代になっているのです。
このようにSNSやブログなどソーシャルメディアを使った学びのコミュニティー

作ることを「ソーシャルラーニング」といっています。

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   ◆ 経験学習を加速する!! ◆
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先月、例に挙げたソリューション営業のマイクロラーニングですが、マイクロ
ラーニングを導入したから営業のスキル向上が成功したわけではありません。

成功の鍵となったのは、「ソーシャルラーニング」の仕組みを併用したこと
だったのです。

自分の興味があるカテゴリーに関して、マイクロラーニングで用意されている
コンテンツで学習し、応用演習として学習した内容を実践してみます。
その後、ソーシャルラーニングの場として社内ブログを用意していました。
そこでは、このようなやり取りがなされたそうです。

・コンテンツを読んで理解しきれなかったことを聞いたり教えたりする
 ⇒なんとなく分かったような気になることが防げます

・実際に実践してみてうまくいったことや、できなかったことの共有
 ⇒お互いにアドバイスしあうことが出来たり、行動を起こす前にコツを
  共有できます。

・コンテンツで学んだこと以外の工夫のシェア
 ⇒パフォーマンスを上げるためのアイディアの創造

ロミンガー社の70:20:10(経験:薫陶:教育)という個人の学びに関する
モデルは有名ですが、ソーシャルラーニングを加えることで、70の経験からの
学びを強力にサポートし、経験学習を促進することに成功したのです。

昨今では、働き方改革による影響によりこれまでのように時間をかけたOJTが
できなかったり、OJTができる人材が不足したりするなど、現場力を上げるため
の様々な課題が日本企業にはあります。

今回ATDで紹介されたマイクロラーニングやソーシャルラーニングは、そうした
課題を克服するためのツールとしても、有効に機能させることができれば、
学びの文化を組織に根付かせる良い方法なのではないかと感じました。

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