MDP導入ご担当者の声:多様性という共通言語をつくり、新しいチャレンジを進めたい

株式会社西武ライオンズ
経営企画部長
光岡 宏明 様

プロ野球球団「埼玉西武ライオンズ」を核にスポーツビジネスを展開する株式会社西武ライオンズ様。経営企画部長の光岡様に、組織として公開講座MDPを活用しているご感想をお伺いしました。

※情報は、取材時2021年9月のものです。

  1. 組織として目指している姿や課題は? …… プロ野球球団の運営事業から、スポーツビジネスへ
  2. なぜMDPを選ばれましたか? …… 「正解がない」ことを受容し、自問自答する力が必要
  3. 参加者の受講後のご様子は? …… 気付きを業務に生かし、良い影響を及ぼしている
  4. 目指している組織に向けて、これからMDPをどう生かしていきますか? …… 困難を乗り越えるため、多様性という共通言語づくりに生かしていく
  5. どのような組織にこの講座をおすすめしたいですか? …… 問題意識のある人なら、組織規模は関係なくおすすめです

組織として目指している姿や課題は?プロ野球球団の運営事業から、スポーツビジネスへ

プロ野球球団「埼玉西武ライオンズ」は、チーム創設以来70年以上の歴史を持つ球団です。現在、会社としては、球団の運営だけでなく、コンサートやイベントなどの貸し会場事業も行っています。

現在のように球団の運営と経営体制が一体化したのは2008年からです。当時、スポーツビジネスはまだ世の中に認知され始めたくらいでした。それまでの野球観戦といえば、スタンドに座って野球を見ることだけに価値があり、「試合が終わったら帰ろう」あるいは「電車が混むので試合が終わる前に帰ろう」という状況でした。そこに、少しずつ試合観戦以外の楽しみを付加してきました。2007年までは、会社としてはチーム運営に特化した仕事が中心で、いわゆる野球興行というチケット販売、グッズ販売、飲食サービスといった役割は、グループ内の別の会社が行い、分散していました。現在の事業体制になってからは、そのような業務も全て弊社に集約しました。ですから球団には歴史がありますが、会社としてはまだまだ未熟で、成長過程だと思っております。

会社の運営も、当時はまだ西武鉄道やプリンスホテルの出向者を中心に行っていましたが、今までにない業務領域や専門性が求められるようになり、出向者中心ではなかなか対応できなくなってきました。リソースが必要だということで、外部から中途採用の社員を増やしました。私自身も西武グループとは全く関係のないところで仕事をしていたのですが、事業体制が変わるという時期に縁があって今に至ります。今では圧倒的に中途入社をした社員の方が多くなりました。そのような事業体制の変化の中で、社内で制度面を整備する必要性の話も出て、2017~2018年に、BCon®と協働し、弊社の社風に合うような人事制度を作りました。MDPをはじめとする公開講座も人事制度整備の一環で活用しました。

ファンの期待に応え続けるため、力の底上げが課題

メットライフドームエリア全景
メットライフドームエリア全景

試合以外の楽しみを付加しようとし始めた当時、世の中にはそのようなサービス自体があまりありませんでした。何かをすればファンやお客さまに評価していただきやすいという環境だったのです。しかし、そのサービスを2~3年続けていくと、ファンやお客さまの中ではそれが当たり前になってくるので、初めて体験したときの感動はだんだん薄れてくるものです。こちらとしてもその期待を維持するためには、今まで通りではなく、その期待を上回るようなことを企画してやり続けていかなければいけません。それが、スポーツを含めたエンタメビジネスの肝だと思っています。

企画する側としては、これまでのやり方を何年も続けていくことはできなくなるので、つらいのですが、時には自分が過去に行った企画を否定するようなものも作っていかなければなりません。そのため、個人としても組織としても、力を底上げしていく必要があるということが、このビジネスの特徴だと思いますね。

なぜMDPを選ばれましたか?「正解がない」ことを受容し、自問自答する力が必要

ファンの期待に応えるという話にもつながるのですが、正解が無いんですね。何をどうするかと考えるときに正解が無いので、自問自答しながらやっていく必要があります。ただ忙しいと普段の業務を振り返って内省する機会も少なくなります。また、立場が上の者になればなるほど他人からフィードバックを受ける機会も圧倒的に減ってきます。そのような中でも自分なりに答えを出していかなければいけません。

2021年春メットライフドームエリアのリニューアルに伴いオープンした「テイキョウキッズフィールド」
2021年春メットライフドームエリアのリニューアルに伴いオープンした「テイキョウキッズフィールド」

ですから、自身の物の見方や考え方を省みることにフォーカスする点や、公開講座という環境で利害関係の無い初対面の人たちからフィードバックを受けることができるという点は、MDPを選んだ理由としてかなり大きかったですね。普段、利害関係を考え、「本当は言った方がいいのだろう」と思いつつも、伝えにくいということは往々にしてありますよね。しかし、MDPの受講者同士には利害関係が全くありませんし、この講座が終わったら、それぞれの持ち場に帰っていくという環境の中で、端的に指摘していただけるということは大きいですね。

BCon®からの制度整備の一環としてもらった「社内の多様性が高まる中で受け入れる素地がさらに必要ではないか」という提案もきっかけでした。多様な社員同士の考えがかみ合っていないように感じており、共通言語が必要だと考えていたからです。例えばスポーツビジネスであれば、「一般的にスポーツビジネスはこうやった方がいいよね」という共通言語があり、それをみんなが知っていた方が仕事はやりやすくなります。組織の文化も、広い意味では共通言語だと思います。弊社の仕事の中で、管理職の共通言語がバラバラだったのが、「多様性がある」ということを共通言語にしていくために必要ではと考えました。

参加者の受講後のご様子は?気付きを業務に生かし、良い影響を及ぼしている

MDPに参加した荒木と市川の話を聞きながら、2人の業務をイメージしていたのですが、だいぶ変わってきていると感じました。2人からはメンタルモデル※という言葉が出ましたが、そもそもそのような考え方があり、また、メンタルモデルは人それぞれであるということを理解したのは非常に有益なことだった思います。そのことが2人の業務に良い影響を及ぼしていると感じています。
※メンタルモデル:先入観・固定観念・仮説のこと

2人とも今は責任ある立場なので、業務内容は売り上げをいくらに増やすといった単純なものだけではありません。時には意見が対立するような人たちとも協調しながら進めていく仕事もあります。正論を言えば相手の耳には入るでしょうけれども、実際にそれを理解して実行してもらうところまで持っていくのはなかなか難しいこともあると思います。現実にはそのような場面もよくありますが、2人はマイルドに対応して、一つ一つの事柄を着実に進められるようになってきているのではないかと感じています。

目指している組織に向けて、これからMDPをどう生かしていきますか?困難を乗り越えるため、多様性という共通言語づくりに生かしていく

組織全体として会社のフェーズが、今、少しずつ変わってきているところです。今年、約3年をかけた球場改修プロジェクトが終わり、新しいスタートを切っています。それまでのファン向けの興行だけではなく、イベント向け貸し会場事業の重要性も増しています。さらに、それ以外でも新しいことにチャレンジし、弊社に関わる人を増やしていきたいと考えています。

会社がさらに成長し発展していくためには、いろいろなことにぶつかりながら成長していくという過程がありますよね。一人一人がそのような場面に対処して乗り越えていくために、このような講座はすごく有効だと感じています。ですから、例えば2人のように部長など、責任あるポジションに昇格した人にはこの講座を受けてもらうようにして、多様性という共通言語を理解している人たちを一人でも増やしていくことも大切ではないでしょうか。

弊社はそれほど大きな組織ではありませんので、社内にいると普段接する人は限られてきます。そのような中で、全く違うバックボーンを持った人たちと話すことができるMDPなどの公開講座はすごく新鮮な機会だと感じます。刺激を受けるという意味でもそうですし、利害関係のない人たちからだからこそフィードバックがもらえるということもあります。あとは、明確なフィードバックではなくても、違う会社の人同士が話している中に、「これは自分にも当てはまるな」と感じることもあるので、そのような意味では、社内だけで行っている研修とは違う気付きが得られるのではないかと思います。

どのような組織にこの講座をおすすめしたいですか?問題意識のある人なら、組織規模は関係なくおすすめです

ライオンズ命名70周年記念のタイミングで誕生した、全長約7メートル、高さ約4メートルにおよぶ巨大なライオンオブジェ。
ライオンズ命名70周年記念のタイミングで誕生した、全長約7メートル、高さ約4メートルにおよぶ巨大なライオンオブジェ。

組織の規模はあまり関係ないと思っています。それよりも、組織として何か課題を感じていて対応しなければいけない、あるいは個人として問題意識を持っているけれども、どうすればいいのかやり方が自分の中では見つからないという人たちにお勧めです。

今回参加した2名は、常に問題意識を持っています。ただ昇格のタイミングも違いますし、問題意識も学びのスタイルも違うのかと思います。荒木は自己課題を既に認識しており、自分を変えつつあったのでしょう。講座に出たことで具体的な方法を知り、相手を表面的に理解するのではなく、その人の背景まで理解することが大切だということに気が付くことができました。今まで自分でやろうとしていたことの後押しになったのではないかと思います。市川は自分で思っていることを改めて言われて「やはりそうだよな」と問題意識を確かにしていました。自分はそうなのだ、ということを認識することが大切ではないでしょうか。

その上で、一つでも二つでも変えなければいけないところはどこかを意識しながら業務に当たっているのは、講座から受けた大きな影響だと思います。

責任あるポジションで、何かクエスチョンを持っている人たちであれば、間違いなくこの講座を通して感じられることがあるのではないかと思います。

BConは、株式会社ビジネスコンサルタントの登録商標です

株式会社西武ライオンズ

株式会社西武ライオンズ
©SEIBU Lions
本社
埼玉県所沢市
事業内容
球団経営、イベント向け貸し会場事業
ウェブサイト
https://www.seibulions.jp/