”組織の持続的存続”についてTBS系列番組で組織経営専門家としてのインタビューが放送されました

2月16日、アリの集団が長期的に存続するためには、働かないアリが一定の割合で存在する必要があるという北海道大学の長谷川英祐准教授らのチームの研究結果が、英科学誌サイエンティフィック・リポーツに公開されました。そのことを受けて、ビジネスや人間社会において同じようなことが言えるかについてTBS様よりご依頼を頂き、インタビューにお応えしました。(2016年2月18日「Nスタ」にて放送されました)

限られた時間での放送でしたが、私共のメッセージは下記のようなものでした。

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車のハンドルに”遊び”があるように、ビジネスの世界では経営に”遊び”が必要だと言われています。
つまり経済合理性だけ、経済効果性だけを追求するとストレスもかかりますし、人間関係がギクシャクして結局長く続かないと言われています。
 

イベントや飲み会なども含めて仕事そのものではない“遊び”の部分を意識的に作って、お互いの信頼関係・社会関係資本を作っていくことが経営の中では求められています。
「社会関係資本」とは、人と人との信頼関係のことで、一緒に働く仲間に本音が言え、お互いのことを気づかい、協力し合っていこうとすることです。 これは財務的な資本ではありませんが、それと同じように蓄積されていくものだということも分かっています。
 

人間やビジネスの世界も、アリの集団(コロニー)のように”集団の持続的存続”の仕組みは機能していると言えます。
 

特に企業の場合は、全員が100%目の前の仕事しかできない状態だと緊急の事に対応できないことがあります。例えば災害のリスクや顧客からのクレーム、様々な緊急事態が組織を襲ってきます。その時にそれに適切に対応できる人の数の部分でも“遊び”を持っていないと経営はうまく成り立たないと考えます。
目の前の仕事に没頭して集中することはビジネス上は重要ですが、組織的に全員が短期的なことばかりを追求する体制を組んでいると、大きな視点で長期の物事を見ることができなくなってきます。組織の中でのバランスが必要なのです。
 

アリのコロニーの場合は本能的にお互いの活動を補完しながらシステムとして機能させているのですが、人間の社会では少し違ってきます。人間は本能だけでは動かず知性や感情も使って動いていますし、個々人によって置かれている環境や状況も異なるため、意図的に組織づくりをする必要があります。企業には外部環境に合わせた戦略が必要ですし、それに合わせた機構構造づくりや人事制度等の仕組みづくりが必要になってくるわけです。
 

また、「働かない働きアリ」は「働けないアリ」ではありません。元来は「働きアリ」です。
ビジネスの社会でいうと、能力が無くて何も仕事ができずに怠けている人が必要なわけではなくて、何かがあった際に動く事ができる能力がある人が、時間的な余裕を持って仕事ができる体制を組織として持つことが重要だいうことです。
 

ビジネス以外でも国を守っている自衛隊や消防、救急などもそうですね。ここに人員的な余裕が無いと、実際何かが起こった時に対応できないということになります。ただ、この方々は日ごろ何かがあった時の為に日頃訓練をしたり準備をしたりしています。有事の際にちゃんと出動できるように組織を組んでいます。
 

効果的で持続的な組織を築くためには、能力を持った人たちをどのように配置するか、また組織内での社会関係資本をどう築いていくかが鍵となるでしょう。
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放送では「働かないアリで証明されたあえて働かない人をつくる組織づくりの重要性。ただいざという時にどれだけ力を発揮できるか、働かないアリには日ごろの能力開発が求められています」と締めくくられました。
 

組織運営の一考察としてご参考いただければ幸いです。
 

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