BCon Info 7月号 エネルギーが生み出される場とは(2)

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2016/7/26━━━┓
   ◆ エネルギーが生み出される場とは(2) ◆
┗━━━━━━━━━━━━━ BCon Information ━━━┛

おはようございます。
BCon Infoでは全3回で「ポジティブなエネルギーとその効用」に関してミシガン大学のキム・キャメロン教授から教わったことをご紹介しています。

1回目は、ポジティブな対人関係から生まれるエネルギーは、枯渇するどころかどんどん増えていくという研究をご紹介しました。 
※前回の内容はこちら↓
 http://www.bcon.jp/mailmagazine/2016-06-22/
 
今回は、ポジティブ・エネルギーと動機づけの違いと、それを生み出す人の特徴についてご紹介します。

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   ◆ 外発的な動機づけの罠 ◆    
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皆さんも「この人といると何故だか元気づけられる・勇気づけられる」といった体験をしたことがあると思います。

たとえば、
 ・この人と話をすると元気をもらえたり、元気がもっと出たりする
 ・「元気づけてもらいたい」時にはこの人に会ったり話したりする
 ・この人と話すと、私は仕事をする気力がもっと湧いてくる気がする
といった感覚です。

このように、人からエネルギーをもらっているという感覚は、いわゆる“動機づけ”されることとはちょっと違っているなと思います。

外発的な動機づけは、心理学の考え方で評価・賞罰・強制などの刺激を受けることで望ましい行動を引き起こすという考え方です。これは広く社会的に使われています。

例えばメンバーが仕事に打ち込むようにするために、いい結果を出したら給料を上げ、昇進昇格させ、悪い結果だと降格したり減給したりする飴とムチのようなやり方が外発的動機づけです。

一般的に効果は一時的で、人の成長には必ずしもつながらないだけでなく、負の側面も指摘されています。

ダニエル・ピンクは『モチベーション3.0』の中で、外発的動機づけによるモチベーションを“モチベーション2.0”と呼び、ルーチンワーク中心の業務には有効ですが、逆にクリエイティビティが低下し、報酬がないと行動しない状況を生み出すので、環境変化が不確実な時代においては機能不全に陥ることもあるといっています。

一方、ポジティブ・エネルギーを与えられる、その人と接触した時に自分が活気づけられるというのは、とても個人的な感覚ですが、そのエネルギーそのものが活性化やパフォーマンス向上の源だとキャメロン博士は教えてくれました。

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  ◆ エネルギーとパフォーマンス ◆  
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キャメロン博士は、パフォーマンスを向上させるリーダーやマネジャーの特性を研究したそうです。
主に、リーダーやマネジャーの持つ「影響力」「情報量」「ポジティブ・エネルギー」の3つについて、それぞれがどの程度パフォーマンスを予測する因子になるか調べたところ、ポジティブ・エネルギーは影響力や情報の4倍重要な因子だということが明らかになったそうです。

組織の成功を説明する要因としては、ポジティブ・エネルギーの重要度合は、その他の要因を圧倒的に凌いでいることに驚きます。

この結果を受けて、テキサスにあるコールセンター業のベリルヘルス社のCEOであるポール・シュピーゲルマン氏はポジティブ・エネルギーを与え合える相互交流の風土づくりを目的に、上級役員の女性一人を「楽しさと成長の女王」に任命したそうです。
彼女がファミリー・ファン・デーやホリデー・カーニバルといった場を企画するなど、職場でも休日でもエネルギーが行き交う場づくりを進めた結果、次のような結果を出すことができたそうです。

 -業界平均よりも3~4倍高い利益をあげた
 -離職率が格段に低くなった
 -顧客ロイヤリティ指標が向上した
 -「最高の職場」として外部団体に認定された

本当なの?と疑いたくなるような結果なのですが、キャメロン博士は実際に起きていることなんだと説明してくれました。

職場でポジティブにエネルギーを与えるリーダーといると、そうでない時と比べて、

 -個人の幸福感
 -自分の職務に対する満足感
 -組織への参加意識
 -職務上のパフォーマンス
 -一体感
 -学習に対する意欲
 -実験的・創造的な活動

全てが増えていくそうです。また、そういった人と一緒に過ごす家族の幸せ度も高まると研究で証明されているそうです。

そこまでの波及効果があるとは考えもつきませんでした。

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  ◆ ポジティブ・エナジャイザー ◆
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キャメロン博士は、こういったリーダーを「ポジティブ・エナジャイザー」と呼んでいます。

ポジティブ・エナジャイザーというのは外交的だったり、社交的、カリスマ的あるいは活発で活動的であることではないそうです。
例えば、外向性‐内向性といったパーソナリティー特性とポジティブ・エネルギーの相関関係は低いそうです。
いつも話しを最初に切り出す出す人や、どんどん話す人、人付き合いのいい人が必ずしも他の人々にポジティブにエネルギーを与えるわけではありません。

むしろ、ポジティブ・エネルギーは双方向的で、お互いの関係性の過程で育まれていくもので、学習できるものだといいます。

それでは、ポジティブ・エナジャイザーといわれる人の特徴として、どのようなことがあげられるのでしょうか。
キャメロン博士が様々な組織のポジティブ・エナジャイザーについてインタビューしたところ次のような特徴が出てきたと教えてくれました。
 
-他者が活躍するのを助ける
-信頼され、言動が一貫している
-頼れる
-語彙が豊かである
-気配りができ、何事にもエンゲージする
 (思い入れ・絆・愛着心・心底繋がろうとする想いなどを持つ)
-偽りなく、オーセンティック(真正・本物)である
-チャンスを見いだすことがうまい
-問題を解決する能力がある
-ほほ笑みを絶やさない
-感謝の念を示し、謙虚である

私の中で思い当たるポジティブ・エナジャイザーの特徴と確かに一致しています。特に信頼できて、誠実であることだけでなくいつもチャンスに目を向けさせてくれます。

その逆にエネルギーを奪う人を「エナジー・ヴァンパイア」と名付けています。その特徴は次のようなものです。

 -多くの場合、障害や障壁に注目する
 -問題を引き起こす
 -他者が評価されることが許せない
 -思考は柔軟性に欠けている
 -他者に対する配慮を示さない
 -最後までやり抜かないことがある
 -自らを美化する
 -たいてい陰気でいかめしい
 -表面的でオーセンティック(真正・本物)ではない
 -批判的であることが多い

自分に照らし合わせると、時々ヴァンパイアになっているな・・・と恐ろしくなります。
つい忙しくなると、自分中心になってしまい、周りが見えずに配慮にかけ、自分に近づくなオーラが出ていると人から指摘されることも多くなってしまいます。

皆様はご自身を振り返ったり、職場をみまわしてみるといかがでしょうか?
次回(最終回)は、ポジティブ・エネルギーの測定方法や、ポジティブ・エナジャイザーの活かし方についてご紹介したいと思います。

 

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