BCon Info 12月号 やることいっぱいで時間がない?の罠

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2015/12/24 ━┓
◆ やることいっぱいで時間がない?の罠 ◆
┗━━━━━━━━━━━━━ BCon_Information ━━━━┛

今年も残りあと数日となりました。仕事納めまであと少しというところで業務が
立てこみはじめてきました。
年末は「師走」の名の通り忙しくなるものかもしれませんが、何か追われている
ような感じがして、焦りが出てきます。

特に業務が手一杯になった時に私はよく「時間がない、1日24時間じゃ足りないな」
と思ってちょっと愚痴っぽくなってしまいます。
今もまさにそのような状況なのですが、その根本にはどんなメカニズムが働き、
どのように対処することができるのでしょうか?
今回は、気持ちよく新年を迎えるためにも「時間がない」課題について考えて
みたいと思います。

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◆ 「時間がない」のメカニズム ◆
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多くのリーダーはマルチタスクで、様々な業務を抱えながら仕事をしていますが、
それに加えて環境変化に対応するため新しいプロジェクトが次々に立ち上がって
きます。
新しいプロジェクトがいかに大切なものであったとしても、「時間がない」という
状況から徐々に参画度合が薄れてくる場合があります。

過去に私が経験したプロジェクトを思い起してみると、次のようなことが起こって
いました。

【プロジェクトの初期段階】

経営者からのプロジェクトへの期待

期待を感じてプロジェクトへの参画が高まる

プロジェクトミーティングの時間の充実感が高まる

プロジェクトへの参加の意義がますます高まる

プロジェクトへの参画度合がさらに高まる

初期段階では、とても意義や充実感を感じて参画度合が高まっていきます。
そして、本格的に議論を始めていく段階になるとより集中的にミーティングの回数
を重ねたくなりました。
その日程を確保するためのスケジュール調整の中で問題となったのが「本業」と
「プロジェクト」の時間配分についてです。

【プロジェクトの中盤】

経営者から本業での目標達成プレッシャーがかかる

ストレスを感じプロジェクトへの参画度合が下がる

プロジェクトへの時間配分が減り、平日は本業の目標達成活動に集中

休日のプロジェクトミーティングが増える

家族と過ごす時間が減り、家族から不満がでる

プロジェクトミーティングに集中できない

プロジェクトの参画度合がますます下がる

このように、「プロジェクト」と「本業」との時間配分のジレンマに陥っていき、
なんだかプロジェクトについて考えること自体が重荷となっていきました。
そしてプロジェクトメンバー以外の人たちから「最近、プロジェクトに力が入って
いない」などと言われてしまいますがやる気がないことが問題ではありませんでした。

このような経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
それでは、このサイクルに陥った時に一般的にはどのような対処がされているの
でしょうか。

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◆ 短期的な対処療法で悪化の一途 ◆
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「時間がない」の問題を解決するために、私のとった対症療法はますます問題を
悪化させてしまいました。

例えば、どうしても休日のミーティングは決行しないとプロジェクトが進まない
ので、家族に休日一緒に過ごせないことへの弁明をします。しかし、ゆっくり
話して理解してもらう時間もとらず「仕事は大事だから」と防衛的に伝えて、
家族には疎外感を感じさせてしまいます。
そして家族からの不満をさらに増大させるというサイクルが強化されていきます。

これでは根本的な解決にならないどころか、より一層ストレスを高めることに
なって身動きとれなくなります。

だからといって、新しいプロジェクトに割く時間を減らすというのも本末転倒です。
それではどうしたらよいのでしょうか?

最大の問題は「仕事量が多すぎる」ということではなく、「時間の使い方に対する
柔軟性がない」ことだとピーター・センゲ博士は『フィールドブック 学習する
組織「10の変革課題」(日本経済新聞社 2004)』の中でいっています。

つまり時間の使い方に関する自分自身のメンタルモデル、こうあるべきという思い
込みを見直すということです。

例えば、「時間を生み出す5つの方法」として以下のような項目を挙げています。

1.活動を集約する
現時点で携わっている活動を列挙し、レバレッジを生む活動にほかの活動を組み
込んでいく

2.意思決定のスタイル・リスト
腹の探り合いになるようなコミュニケーションパターンではなく、誰がどのように
意思決定しているかを理解し行動に生かす

3.スケジュールを見る
自分自身/プロジェクト/組織、それぞれのビジョンを書き出し、2か月先のスケ
ジュールと照らし合わせ、どのビジョンにも合致しないスケジュールを取り除く
ことを考える

4.注意の評価
一緒に仕事をしているメンバーに、「私が注意を向けすぎているもの/注意の向け方
が足りないもの」を書き出してもらい、自分の注意を調整する

5.「妥当性、時間、相互利益」に対する自問
人に頼める仕事で、自分がしなくてもよいと思っている仕事は何か自分がやるべき
ではない仕事で、今やっているものは何かを自問する

時間の使い方の妥当性を検討してみると驚くほど本来自分が優先すべき仕事に時間
を使っていないということがわかります。
少し考えてみただけでも次のようなものを思いつくことができました。

・自分ではなくても、誰かに任せられる仕事に時間を使っている
・独りよがりで作成した資料が上司に受け入れられず作業をやり直す
・ゆとりの時間を持つことを恐れ、忙しくするための仕事を探してやっている

今一度、自分の携わっていることを本来の業務やプロジェクト、自己学習など
含めて洗い出し、重要度と緊急度のマトリクスで分類してみたり、Will/Can/Must
で分けてみるとよいかもしれません。
気持ちが焦っていると難しい作業なので、少し深呼吸が必要ですが・・・。

また今回取り上げたプロジェクトの例でみると、「家族との関係」を良好に保つため
にできることは日常の中で工夫できることのように思います。

急がば回れといわれるように、いま目の前にある業務に追われ続けるのではなく
いったん立ち止まって、時間の使い方のメンタルモデルを変えることで来年は更に
意義ある仕事に注力できるようにしたいと思います。

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