BCon Info 11月号 「不完全さに向き合う力=インテグリティ」

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2015/11/25 ━┓
◆ 不完全さに向き合う力=インテグリティ ◆
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みなさんは、スケジュールの管理をどのようにされていますか?
私はここ数年、スマートフォンでデジタルスケジュール帳を活用しています。
簡単に書き換えることができアラート機能もついて重宝しているのですが、
この時期になって来年の手帳を選ぶ楽しみが無くなったな・・・と少しさみしく
感じます。

 

先日読んだヘンリー・クラウド著『リーダーの人間力 人徳を備えるための6つ
の資質(原題:Integrity)(日本能率協会マネジメントセンター)』にこんな
一文がありました。

「船の航跡をみれば船について多くのことがわかるように、人についても仕事の
航跡をみればその人のすべてがわかる」

自分の航跡を眺めるには、アナログな手帳の方が書いてある情報量以上のことを
振り返ることができるかもしれないですね。

 

今回はこの書籍の原題「インテグリティ(Integrity)」について書いてみたい
と思います。

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◆ 自分がその立場におかれたら? ◆
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様々な組織の不正や不祥事の問題が連日テレビで報道されています。
もちろん、あってはならないことなのですが、自分がその当事者だったらどうし
ただろうかと考えてしまいます。

 

コストや納期、顧客や上司からの圧力を感じながら「本当に正しいこと」を主張
できるかと考えると、私も不正につながる行動を選択することもあるのではない
かと思います。
自分だけが周囲と違う主張をした時に向けられる冷たい視線や居心地の悪さは
まざまざと想像できて、それに耐えられない自分の弱い部分、不完全な部分を
報道を見るたびに見せつけられる思いがします。

 

もちろん組織の不正や不祥事は個人の弱さだけに起因するのではなく、集団思考
に陥りやすい権威主義的な風土や自組織の常識を過大評価する雰囲気など様々な
ものが関係し発生しています。
集団思考に陥りがちな状況はいつ、どのような場面で起こっても不思議ではない
と思います。
組織の問題は完全になくなるわけではなく、常に状況に応じて解決に取り組む
必要はあるでしょう。

 

一方で、原因を組織の構造や文化だけにできないようにも感じます。
そこにいる「人」が結局は集団思考を作り出していると考えると私たちは、一体
何を意識して行動することが不正や不祥事のリスクを低くすることに繋がるので
しょうか?

 

元外資系のメーカーの方から、アメリカではコンプライアンスという言葉よりも
インテグリティという言葉を頻繁に使うということを教えて頂きました。

ドラッカーもマネジメントを担う人材にとって、インテグリティを「決定的に
重要な資質」と位置付けています。これが欠ける人間は、いかに知識があり、
才気があり仕事ができようとも、組織を腐敗させるとまで書いてあったことを
思い出しました。

 

ではこの「インテグリティ」とはいったい何なのでしょうか?

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◆ インテグリティとは完全性 ◆
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インテグリティという言葉自体の定義が難しいのですが、『論語とドラッカー』
の著者である安冨歩氏は「人格の一貫性、統合、完全性」という言葉で表現して
いました。

 

つまり、自分が「こうありたい」と思っていることと、実際にやっていることが
完全に一致している状態です。

 

でもこれは、頭では分かっていても実践となると本当に難しいと感じます。
さまざまなプレッシャーがかかってくると途端に「長いものに巻かれて楽になり
たい」という弱い自分の心の声に従ってしまいそうになります。
大事なことだということは分かっても自分がずっと一致した状態でいられる気が
しないのです・・・。

やっぱり自分は不完全だなと思うのです。

 

インテグリティある人間にどのようにしたらなれるのか示唆を与えてくれたのが
冒頭でご紹介した書籍『Integrity』でした。
著者ヘンリー・クラウド氏は次の6つの資質を磨くようにと示してくれています。

1.信頼を確立する
2.現実と向き合う
3.成果を上げる
4.逆境を受けとめ、問題を解決する
5.成長・発展する
6.自己を超え、人生の意味を見つける。
「インテグリティ」がぶれない軸をつくる。

私はこの2~5をみて、人間としての成長を促す「体験学習」そのものだと感じ
ました。

 

まずは、
【2.現実と向き合う】ということは、不完全な弱い自分や、不完全な組織体質
に向き合うことがスタートになります。
どんな人でも弱い部分、どんな組織でも完璧ではない部分があります。その弱さ
を表さないように振る舞うのではなく受け入れることをしなければ人も組織も
成長しません。

 

【3.成果を上げる】完璧ではないから成果を上げられないのではなく、今の
状態から出来ることを見つけ、様々な取り組みを手を変え品を変えて具体的に
実践することが大事です。
その過程で個人も組織もお互いに影響を与え合い、変化していきます。

 

【4.逆境を受け止め、問題を解決する】たとえ抵抗があったとしても、逃げず
に解決のために出来ることをする中で新しい発見や視点を獲得していきます。

 

【5.成長・発展する】これらの過程で得られた知識やスキルや信念を次の成長・
発展に活かしていきます。

 

インテグリティというと高潔で高邁な思想をもった、清廉潔白で強い人間になら
なければいけないのだと勘違いしていたので、このサイクルをぐるぐるとまわし
ていけば良いのだと思えた時に少し気持ちが楽になりました。

自分の不完全さや弱さ、組織の不完全さや欠点はあって当たり前です。
しかしこれに向き合い、学習を続ける力がないと個人も組織も成長・発展しない
でしょう。

 

あとひと月も経つと今年が終わってしまいます。
良いタイミングですので、まずは謙虚に、自分や組織のこれまでの航跡を確認し、
不完全さも特徴の1つくらいに捉える態度でポジティブな側面もネガティブな
側面も振り返り、次の成長の糧にしていけたらと思います。

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