2015年6月発行 BCon Info 6月号 今注目されるのは「学習できる企業」?

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   ◆ 今注目されるのは「学習できる企業」? ◆
┗━━━━━━━━━━━━━━━ BCon Information━┛

2015年6月29日号の『AERA』では「勉強しないと生き残れない―学習社会の衝撃」
という大特集が組まれていました。
“勉強しないと生き残れない”といった記事から、今注目の社会人向け大学院や
働きながら学習できる企業の特集など様々な観点から、生活者として、働く人と
して大事な学習が取り上げられています。

優秀な人材を獲得するために、OJTだけではない、目玉となる研修会や学習の機会
を設けている企業も増えてきたようです。
「武者修行研修」「無人島サバイバル研修」「対話型アート鑑賞」などの研修
タイトルを見て感じるのは、OJTが機能していることは大前提として、OJTだけでは
新しい領域へ挑戦をする人材開発が起こりにくいという背景も見え隠れしている
ように感じました。

さて今回は今月中旬に開催された「スウェーデン視察ツアー」をコーディネートを
する中で感じた「学び」に関しての体験をご紹介したいと思います。

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 ◆ 同じ話を何度も聞いているはずなのに・・・ ◆
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今回の視察ツアーには、BCon社員が5名参加しただけでなく、お客様も5名参加して
くださいました。現地での視察は全3日間でサステナビリティのリーダーマインド
に触れる内容でした。

冒頭はThe Natural Step※の創設者であるカール=ヘンリック・ロベール博士の
セッションでした。
企業がサステナビリティを戦略的に牽引する例として、ある企業が先端技術を開発
した後で、持続可能でない原材料やエネルギー源の税率を高くするなど規制をかけ
るように政府や関係機関に働きかける話がありました。

私はこの話を何度か聞いていて、よく理解しているつもりでした。

しかし、1人の参加者から
「つまり、デファクトスタンダードを作って、一人勝ちしようってこと?」
という質問が出た時点から一気に私を含め参加者の思考が活発になりました。

ある人は「そうですよ。やっぱり経営者は勝ちたいですからね。」と発言したり、
ある人は「一人勝ちってことが目的ではないんじゃないですか?」など参加者同士
でその疑問に対する意見が出てきました。

カール=ヘンリック博士の答えはこうでした。
「経営者は競争が好きだから、一人勝ちだと面白くないでしょう。規制をかける
 理由は、他の企業にも追いかけてきてほしいからです。
 だから、リードするといっても先に行きすぎちゃダメなんです。」

一同、頭の中が一瞬「モヤモヤ」っとなりました。
その後も質問を続けようとしたのですが、時間切れになり、カール=ヘンリック
博士とは議論を続けることが出来ませんでした。

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  ◆ モヤモヤが促進するソーシャルな学び ◆
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時間の都合で、モヤモヤを抱えたまま昼食の時間に入りました。
これを解消したかったのか、自然と各自がポツポツと自分の考えや今の気持ちを
表現していきました。

その中の1人が、「これって、トヨタが水素で狙っていることなのかな?」
「そういえば、テスラも・・・」といったように段々とモヤモヤに輪郭が出来て
きました。

サステナビリティに挑戦し、リードする企業は
1.同業・異業種ともコラボレーションする。1社ではできない開発をするために
  情報をオープンにして仲間を増やす。
  もしくは、開発競争をすることでより磨きをかけていく。

2.インフラ投資などが必要な場合には、市場を作り政府や自治体の参画も
  狙っていくことが求められる

3.一人勝ちを狙っても、結局マーケットが小さいままだと、結果儲けが少ない

などお互いに話をするうちに、正解かどうかは別として、腹落ちする学びにつな
がっていきました。
これがランチをしている約30分程で起こったことに、私は驚きました。
学びのスピードが速かったのです。

恐らく、昼食後にカール=ヘンリック博士から「答え」を聞こうと考えていたら
自分の中で「理解した!」という感覚になるまで、もっと多く時間がかかっていた
かもしれません。

ここでは、一度聞いたような話でも、そこから学ぼうという参加者の学ぶ姿勢が
ありました。さらに、先生から教えてもらうのを待つのではなく、お互いに学び
あうといったソーシャルな学びが起こった結果だったように感じます。

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  ◆ 学習できる企業って、どんな企業? ◆
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スウェーデン視察ツアーでの経験を振り返りながら色々考えてみました。
「学習できる企業」には大きく2つ要素がありそうです。

1.学びに集中できる環境を作り出している
2.学び方を教えている

1つは、学びに集中できる環境を計画的に作れているかどうかです。
スウェーデンでの視察もそうでしたが、宿泊型の研修会など、学ぶ姿勢になる
環境は大切です。いつもの日常業務やいつもの顔ぶれになると、どうしても思考が
パターン化しがちです。そこから離れて、新しい場所、見知らぬ人など刺激を意図
的に作り出せているでしょうか?
いつも社内研修が多いようでしたら、社外の公開講座や異業種交流などを活用して
も良いかもしれません。

もう1つは、学び方を教えられているかです。学びが上手な人は、情報に対して
謙虚なマインドを持っていると感じます。何度も聞いた話だと思っても、その時々
で学びが違うという経験をした方も多いのではないでしょうか?
うまく学べない人はどんな情報でも、自分の中に既にある枠組みの中で理解した
つもりになってしまう傾向があります。経営層や上司、先輩が誰からでも、どんな
出来事からでも学ぶ姿勢やマインドを持っていれば、「学び」の文化を創れます。
そして、それは日常のコミュニケーションの中にも宿ります。それが、学び方を
自然と修得できる「学べる会社」になるために大切なことだと感じました。

※The Natural Stepとは
 1989年スウェーデンの医学博士カール=ヘンリック・ロベール氏により創設された
 国際NGO団体。企業、自治体、コミュニティが環境・社会経済に関する課題を認識し、
 持続可能な社会への解決策を見つけることに貢献している

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