2015年1月発行 BCon Info1月号 逃げおくれてしまう人間の心理への対処


┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2015/ 1/27 ┓
  ◆ 逃げおくれてしまう人間の心理への対処  ◆
┗━━━━━━━━━━━━━━━━ BCon Information┛

先週、阪神淡路大震災から20年の特集がメディアに取り上げられて
いました。
当時、私も関西にいた1人だったということもあり、色々思い起こしま
した。起こった事実にも衝撃を受けたのですが、それ以上に思い込みの
怖さを思い知った出来事でした。

震災以前は「関西では地震は起こらない」と信じていました。地震の頻
度は確かに関東よりも少なかったですし、史実に残るような地震による
大災害も起こったことはなかったのでそう思い込んでいたのです。

ですから、当時は過去の知識をもとに未来もきっとそれが続くだろうと
信じて疑わなかったのです。そのため「起こらないはずの事が起こった」
ことをどの様に受け止めたら良いかとても戸惑ったのを覚えています。

その後沢山の活断層が調査され、日本中どこでも地震が起こる可能性が
あることが分かりました。地震は「起こるべくして起こった」ものだっ
たと知ることになったのです。

今回は、事業経営において「起こるはずのないことが起こった」と慌て
て右往左往して対処するのではなく、「将来起こるであろうこと」に
着目し、どのような状況においても価値ある存在として事業を続けてい
くための考え方についてご紹介したいと思います。

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   ◆ 人が逃げ遅れてしまうのは何故? ◆
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会社の先輩とこの震災について感じていることを話していた時に、災害
時の心理として「正常性バイアス」という心理メカニズムがあるのを教
えてもらいました。

「正常性バイアス」とは、予期しない異常に対して心の動きが鈍感にな
るようなメカニズムです。

日常生活で何かあるたびにビクビクしながら生きていると心が疲れてし
まいます。これを避けるために、ある程度の異常は正常の範囲内として
処理する心の機能だそうです。例えば、東日本大震災時にも津波のサイ
レンを聞いて、実際に逃げる行動をとったのは10%で、90%の人はテレ
ビをつけることにとどまり、実際に津波を見てから逃げるという行動に
移ったそうです。

このバイアス自体は日常生活ではとても役に立つものですが、日常の延
長線上にない事態になった時に、生命にも危険を及ぼすものとなってし
まうという話でした。

これは、企業における組織行動でも同じことが起こる可能性があるなと
感じました。目の前に見えている危機を察して対応することが出来ても、
将来起こりうる可能性がある危機にはついつい鈍感になって、対応が後
回しになってしまうことがあるのではないでしょうか。

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    ◆ 将来の制約条件をチャンスに変える ◆
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例えば、消費増税後の私の家の近くのお店の対応が様々だったことが印
象的でした。
窓ガラスに「価格据え置き」と張り紙をだして、増税後も客足が途絶え
ないように我慢の経営をしているパン屋さんがあります。
一方、その近くのお蕎麦屋さんは、消費税増税前に新しいメニューを幾
つか出して、チラシを近所に配っていました。店主に聞くと、増税後に
は外食が減ってお客さまの足が遠のくのが分かっているので、原価率が
そんなに高くないけれど、独自性のある新メニューを出して増税後にも
お客様に楽しみに来てもらえるように工夫しているということでした。

消費税は今後も増税が予想されています。いつ増税されるのか、何%に
増税されるのかは正確に予測できませんが、そうなるであろうことは分
かっているのです。これに対して「まだ大丈夫」と思い込むこともでき
ますし、「何かを変えるイノベーションのチャンス」ととらえて行動す
ることもできるはずです。

この「将来起こることが分かっていること」に鈍感にならずに、それを
機会ととらえて現状を変えていくキッカケとして活かせる企業こそ、
競争優位を作り続ける持続可能な事業運営ができるのだと感じました。

とはいえ、科学的に「危険が迫っている」「重大な変化が起こりつつあ
る」ことを示す情報があっても、正常性バイアスによる鈍感さによって
「まだ大丈夫」と思いこんでしまうというジレンマを拭う事はとても難
しいことのように思います。
それを解決し、持続可能な事業運営をしていくために押さえておくべき
ポイントは何でしょうか?

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   ◆ ジレンマを超えた取組のポイントとは ◆
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スウェーデンのNGO団体The Natural Stepの創設者、カール=ヘンリック・
ロベール博士から教えてもらったポイントは次のようなものです。

1.私たちの将来に起こるであろうことを、科学的にキャッチして
  あらかじめ、将来の制約条件を知っておく

2.将来の制約条件を織り込んで、どんな価値を提供するのかを
  ビジョンとして描く

3.そのビジョンを実現させるための鍵となる領域を明確にして、
  今出来ることと将来のために投資することを明確にする      

正常性バイアスに左右されず、着実に将来にむけて歩むために、組織と
して上記の3つに取り組み、少しでも早く戦略転換を意図したアク
ションを起こしていくことが大事なのだということです。

BConでは具体的にどのように科学的根拠をもとに将来起こるであろうこ
とをキャッチしたら良いのか、制約条件をどのように考えるのか、その
中でのビジョンの描き方など持続可能な事業運営のための、明確な原理
原則とフレームワークと、その実践事例をお伝えするセミナーを開催し
ます。

ご興味ある方は是非お越しください。詳細はこちらをご覧ください。
http://www.bcon.jp/event/backcasting.html

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