2014年10月発行 BCon Info 10月号 「根気強さ」の正体は?熟達者に学ぶ成長する要素


┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2014/10/28 ┓
 ◆「根気強さ」の正体は?熟達者に学ぶ成長する要素 ◆
┗━━━━━━━━━━━━━━━━ BCon Information ┛

先日ある勉強会で、ペンシルベニア大学のA.ダックワース教授の
提唱する「根気」に関する方程式を学習しました。

 根気 = 熱意 + 忍耐力 +長期目標の追及力

「根気」と「忍耐力」というのは、ほぼ同じ意味合いだと考えて
いた私には、それを明確に分けて示されていることに驚きました。

この「根気」と「忍耐力」はどちらも大事ですが、忍耐力だけで
は人の成長に限界が来るのかなと感じました。
上司や先輩から怒られたり、指摘されたりしても“耐え忍ぶ”、
それだけの人はいつまでたっても代わり映えしないように感じる
ので必要条件であっても十分条件にはなっていないと感じました。

「根気なくして大きな成功を収めた人物は一人もいません」と
A.ダックワースは断言しています。
「猛烈な努力を必要としないほど才能のある人なんていない。
猛烈な努力をさせる原動力となるのが根気なのです」

アインシュタインも「1%の才能と99%の努力」と言っている
ことを思い出しました。

成長の条件である「根気」を引き出すには、いったいどのように
したら良いのでしょうか?
人が成長するための「根気」をA.ダックワースの方程式を基に考
えてみました。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
    ◆ “飽きっぽい”のに極めるって?  ◆
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

近頃、Amazonでばかり書籍を買っているので、久しぶりに本屋に
行ってきました。

普通だったら買わないかな・・・と思ったのに平積みにされてい
たのでつい買ってしまったのが、この書籍。
『極める人ほど飽きっぽい』日経BP社 (2013)

自分自身が“飽きっぽい”という自覚があるので、それでも希望
が持てるかもしれないという下心がありましたが・・・
もちろんその期待は裏切られました。

著者は世界1億2000万人の患者がいる「加齢黄斑変性」という病
気の治療薬を開発している窪田良氏です。
「ゲノム研究」「眼科医」「起業家」という3つの領域を極めた
という驚くべき方なのです。
異なる分野で一流になれたという一点で、「飽きっぽい」という
タイトルを付けられたようですが、実際は“眼科”という1つの
軸で、世界中の人が苦しんでいる病から解放したいとの動機で突
き進んだ結果なのです。

仕事の中で常に問題発見をし、それを解決するために新たな分野
に進む必要があったから、分野を変えた。

 → 長期の目標追及力

新しい分野に行くのは不安がつきものですがそれをモノともしな
い程、信念があった

 → 熱意

「加齢黄斑変性」という病気の治療薬を開発するまで様々な困難
があったが、それを乗り越えた

 → 忍耐力

A.ダックワークの公式にとっても当てはまる“根気のある人”
なんだなと思いました。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
     ◆ 根気養成ギブスは作れるか? ◆
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

根気は生得的なものかどうかという議論がありますが、才能と
違って、条件が揃えば発揮できるものだと言われています。

1つは、マインドセットが影響しています。
自分の能力が固定的であるとみて、努力を無駄だとみなしている
マインドセット(Fixed Mindset)と自分の能力は努力次第で伸
ばすことができると思っているマインドセット(Growth Mindset)
では後者の方が諦めないで、挑戦する力があることが脳科学的に
も証明されています。

どちらのマインドセットになるかは、周囲の働きかけに要因があ
るそうです。
例えば、何か上手くいったことがあった時に、「あなたは運がい
いから」と言われてしまうと、うまくいかなかった時に「運が悪
かったんだ」と、自分の努力ではどうにもならないことに原因を
求めてしまうマインドセットになってしまうそうです。

職場でいうと、上司がどう働きかけるかによって変わってくると
もいえますね。

もう1つ、目標を追求していくには、それ自体が楽しいと思える
ことが大切になってきます。そのために必要な条件として、クレ
アモント大学のチクセントミハイ博士は次のようなものを挙げて
います。

1.目標に意義や意味を感じること
2.自分の能力よりも少し高めの目標であること
3.目標にどれだけ近づけているか確認できること

このような条件がそろう仕事や仕事環境では、「フロー」という
「仕事に夢中になる」状態になれるそうです。

これも、職場で上司がマネジメントとしてできることに大きく関
わっていると思いませんか?

人の成長に関わる“根気”は、職場のマネジメントを通して条件
を整えることで開発出来る可能性があるということです。
もちろん、その上司にも“根気”が必要になりますが、上手く条
件をそろえられれば、それこそ“根気養成ギブス”の役割が職場
でも果たせるのではないでしょうか。

———————————————————————-

本メールマガジンの第三者への転送や無断引用、Webサイトなどへの再掲載はお断りいたします。

back number
update history
Norton/Pマーク
ページの上部へ