2014年8月発行 BCon Info8月号 サステナビリティを考える旅に出ました(1)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2014/ 8/27━
  ◆ サステナビリティを考える旅に出ました(1)◆
━━━━━━━━━━━━━━━━ BCon Information━ 

『アース・オーバーシュート・デー』という言葉をご存知ですか?
グローバル・フットプリント・ネットワークという団体が、アース・
オーバーシュート・デーという、地球が生産できる1年分の自然資源を
その年の元旦から消費すると仮定し、使い切ってしまう日を毎年発表
しています。
http://www.footprintnetwork.org/en/index.php/GFN/page/earth_overshoot_day/

今年の「アース・オーバーシュート・デー」は先週の8月19日でした。
2000年は10月1日でしたから、この15年でも随分世界的に資源の消費が
早まっていることが分かりますね。

これがこのまま進んでいくとなると、自分の子供や孫の世代が本当に
幸せに暮らせるのかな・・・とちょっと不安になりました。
一方で、個人レベルでも3R(リデュース・リユース・リサイクル)や、
エコ商品を買うなどということもできますが、もっと大きなインパク
トを与えるには企業が取り組むべき課題だとも感じました。
環境への配慮は“お金がかかる余計なこと”といった捉え方ではなく、
今後企業が生き残っていくための戦略として、この状況に先手を打っ
ていくことで、人にとっても、企業にとっても、環境にとっても良い
事業にすることが出来るんだと、この夏の経験を通じて感じました。

今回は、8月12日~15日にスウェーデンのストックホルムへ行き、
“サステナビリティ”について学習してきました。そのときのこと
をご紹介したいと思います。

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   ◆  美味しい水の正体とは・・・  ◆
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私たちは、ストックホルムの中心近くのScandic Parkというホテル
チェーンの1つに宿泊しました。
公園の近くの落ち着いた場所にあるホテルで、隣に日本でも馴染みの
コンビニエンスストアがあることにホッとしました。
日本でも海外でも、私は必ずホテルに宿泊するときにはペットボトル
の水を1晩につき1リットル買ってからチェックインします。
ここでも、まず始めにコンビニでペットボトルを購入し、これからの
3泊いつでも安全な水が飲めることに安心しました。

翌日、ホテルの朝食ブッフェでも美味しい水や炭酸水が飲めるので、
安心しました。
日本にいるときの一般的なレストランで出される水よりおいしいので
す。

そして、朝食を食べながら当日のスケジュールなどをスウェーデン人
の同僚と打ち合わせをしているときに、驚くべき事実を打ち明けられ
ました。別に隠していたわけではないのでしょうが・・・。

なんと、朝食やレストランで提供される水や炭酸水も、元は水道水だ
ということです。
てっきり、ミネラルウォーターと思っていた私は本当にびっくりして、
ついつい「お腹壊さないよね?」と確認してしまいました。しかし、
聞くところによるとミネラルウォーターよりもミネラルが多かったり
水質がよいというのです。

スウェーデンでペットボトルの水を買うというのは、砂漠で砂を買う
のと同じ位に無駄ということだったんですね。

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  ◆ ホテルの美味しい朝食(超セルフサービス) ◆
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このホテルでは他にも日本では見かけない光景がいくつかありました。
その中でも驚いたのは、フルーツ丸ごと、大きなパンを丸ごと、チー
ズも大きな塊で置いてあるということです。
脇には、まな板と包丁があります・・・つまり、自分で切るんですね。

人件費の削減かな・・・とも思い、ホテルの人に聞いてみました。
すると、食品の廃棄量を減らすためだと教えてくれました。
スウェーデン語で書かれていたので分からなかったのですが、ブッ
フェを提供するテーブルには、
『お好きなだけ食べてください。でも残さないで下さい。』
と書かれていました。

廃棄物削減のために、他のホテルよりもお皿も小さいものを提供する
という工夫もされているそうです。
私は、祖母から米粒1つも残さないように食べなさいと言われて育った
ので、いまだに食べ物を残すことに罪悪感があり、つい海外にいると
太ってしまうのですが、これなら自分の適量だけ食べられて健康にも
良いなと感じました。

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   ◆ サステナビリティはしたたかな戦略  ◆
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ホテルの水や朝食について驚いたことをご紹介しましたが、実はこれ、
全部サステナビリティで優位性を築くための戦略の一環ということ
をホテルの環境担当の方から教えて頂きました。

始めたのは1900年代の欧州危機の時期だそうです。
経営のサステナビリティを考えた時に、顧客に愛され、経済的にも
メリットがあるように環境のサステナビリティを戦略として取り入
れる意思決定をしました。

まず、サービスを低下させずに、コスト削減につながることをしよう
と決めたそうです。
その1つが、水の問題です。これまでも水は水道水だったそうですが、
炭酸水も水道水からホテルで作れるようにしたそうです。
炭酸水を買うコストもそうですが、輸送に関わるCO2の削減にかなり
良い影響を与えたそうです。
従業員から出たアイディアの1つが、朝食ブッフェの提供の仕方だそ
うです。
キッチンの裏側も見せて頂きましたが、朝食から出た廃棄物は1つの
バケツに入れられ、その重さを毎日体重計で測り、記録しているそう
です。そして、常に改善の方法を現場の人たちが出して取り組んでい
ると言います。

更に驚いたのは、この朝食の廃棄物はほぼ全て(99%)、バイオガス
燃料にするために使われているそうなのです。

Scandicホテルが実施しているサステナビリティの取り組みは、サ
プライチェーンを巻き込んだ大きな取り組みまでもっと沢山あるので
すが、ここでは割愛します。
しかし、それがどれも他のホテルの取り組みと比較しても先行してい
るため、新聞やメディアに良く取り上げられると言っていました。
つまり、広告費すらほとんどかかっていないのです。

この取り組みの結果、企業側から支持され、かなりビジネスのお客様
が増えたといいます。

ただ、地球環境に良いことをして満足するのではなく、これを経営戦
略の中心に据えて、柔軟に現場のアイディアを取り入れながら企業運
営されていることにポイントがあるように感じました。
その結果、現在は北欧で1番大きなホテルチェーンになっています。

企業がサステナビリティを本気で経営の中心に据えて、戦略的に、
リーディングエッジに取り組むことで得られるメリットは経営のサス
テナビリティの原動力になるかもしれませんね。

また次回はサステナビリティについて感じたことをご紹介します。

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