2013年6月発行 BCon Info 6月号 小さな1歩から始まるイノベーション


┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2013/ 6/25━┓
  ◆ 小さな1歩から始まるイノベーション ◆
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━ BCon Information ┛

夏が近づき、早朝の少し涼しい時間が、とても貴重な季節になりました。
毎朝、体力づくりを兼ねて30分ほど歩いていますが、いつもより少し時間
を早めないと、快適なウォーキングができなくなっています。

“早起きは三文の徳”と言われるように、朝の時間を有効に使うことは
昔から推奨されてきましたし、脳科学者の茂木先生も薦めています。
『脳を最高に活かせる人の朝時間 頭も心もポジティブに』茂木健一郎著 
すばる舎 (2013)

朝の時間を有効に活用する「朝活」を始めると、不思議なことに夜の過ご
し方が変わってきます。だらだらと仕事を長引かせたりせずに、早めに仕
事を切り上げて就寝時間を少し早めたり、リビングでテレビのチャンネル
をまわしながら、なんとなく過ごす時間をもったいないと思うようになり
ました。

私の個人的な体験ですが、「朝活」を始めることによって、不思議と一日
の時間の使い方や時間に対する意識が変わっていきました。

東京・丸の内には「丸の内朝大学」という誰でも参加できる朝活の場があ
ります。今回は「丸の内朝大学」の取り組みからイノベーションを考えて
みたいと思います。

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  ◆ 既存のものに新しい価値をみつける ◆
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「丸の内朝大学」は学校法人の大学ではありません。まちづくりの支援に
関わるNPOや一般社団法人が共同で運営している市民大学です。

この市民大学の目的は、丸の内というオフィス街で、朝の時間の学びの場
を通じて企業の枠を超えたコミュニティを創る取り組みとして開校しまし
た。2009年春に開講して今年、5年目を迎えたそうです。
初回は2週間で1,000人ほどの参加者だったのが、今ではのべ10,000人が参
加するまでに拡大しています。

この取り組みの面白いところは、「朝」という時間に注目した点です。

これまでも、丸の内では沢山の勉強会やセミナーが開催されていますが、
18時30分以降に開催されることが多く、私自身も残業や急な仕事で「行き
たかったのに、どうしても行けない!」といったことも多くありました。
また、どのセミナーも同じような時間に開催されているので、参加したい
セミナーがバッティングしていて困ってしまうこともあります。
仕事やセミナー以外にも、夜の時間は友人と会ったりと何かとスケジュー
ルが埋まってしまい、自分の都合だけでスケジュールをコントロールでき
ないことも多いのがビジネスパーソンの実情です。

そこで、「丸の内朝大学」のプロデューサーである古田秘馬さんが目を付
けたのが、“朝”という時間です。
仕事を持つ多くの人が、自分だけの自由な時間は朝だという点と、“朝”
の持つポジティブなイメージに注目したのです。

既にある資源に注目し、そのイメージを変えるように企画されています。

単に、「早起きが健康的だから」ではなく、

「朝にヨガやマラソン、勉強がおしゃれにできる」
「美味しい朝ごはんが食べられる」
「それって、いいね!」

というように、丸の内の朝に対するイメージを変え、共感を誘いました。
既存のものに、人々に訴えかけるコンセプトを埋め込むことで、新しい
価値を提供したイノベーションと言える取り組みです。

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 ◆イノベーションを起こす仲間づくりのポイント◆
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何かアイディアを思いついた時に、そのアイディアをより良いものにし
て色々な人が関わりたくなるようにすることが必要です。

「丸の内朝大学」も最初から大きくスタートしたわけではありません。
徐々に仲間を集めながら、集まった人の英知を組み込みながら小さく始
めています。

そのポイントとして、古田秘馬さんはこのようにまとめていました。
これは、組織内で新しいことを始める時にも役立ちそうです。

(1)企画をささやく
   正面切って、勢い込んで発信するのではなく、気の緩んだ場面で
   ささやいてみる

(2)味方を作る
   少しずつ、「それ、面白いね」「協力できるよ」という味方をつ
   くる

(3)プランニング
   いろんな所で言いふらしてみることで、既成事実のような認知を
   つくる

(4)軌道修正
   最初から企画を書かずに、色んな人からのヒントを基にコンセプ
   トを修正する

(5)第1弾を実施する
   小さくはじめて、成功体験を積む

(6)予算を組み、告知し、実行する

最初から素晴らしい企画は作れませんし、新しいアイディアの目利きは
難しいものです。いきなり(6)には到達しません。

「丸の内朝大学」は、一般企業の事例ではありませんが、そこには企業
がイノベーションを起こすためのヒントがあるように思います。

企業のイノベーションでも個人の思いやアイディアの小さな一歩から始
まります。思いから始まり、社内外に仲間が出来て、インフォーマルな
ネットワークが広がります。

一方、組織にはこれを潰さない組織風土が求められます。
効率ばかりの追求だけでなく、遊びの存在を認め、寛容さを持つことが
求められるでしょう。

BConでは、思いを喚起するプログラムとして、「i-Lab」を、イノベー
ションを起こすマネジャーの育成として「i-Lead」を提供しています。

 ■「i-Lab」↓  http://www.bcon.jp/service/innovation/propulsion/i-lab/ ■「i-Lead」↓  http://www.bcon.jp/service/innovation/propulsion/i-leadmind/ 

 

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