2013年3月発行 BCon Info3月号 人を惹きつける魅力あるテーマとは 

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  ◆  人を惹きつける魅力あるテーマとは  ◆
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━ BCon Information ┛

先日、多摩大学大学院の徳岡晃一郎教授の講演を聴講する機会がありました。
徳岡教授は『MBB(※1):「思い」のマネジメント』※2の著者の一人です。

私の心に沁みたのは、「思いのレベル」です。

講演の中で教授から以下のような投げかけがありました。

「皆さんが、今やらなければならないと考えている重要なテーマを一つ選んで
ください。そしてそのテーマへの思いは、次の7つのうちのどのレベルでしょ
うか?」という問いかけがありました。

【レベル1】
 やりたいとは思うが面倒なので、できれば誰かにやってほしい
 自分にはできそうもないことなので、できなくても仕方がない
 面倒なことなので、いつかできそうな気がしたら始めよう
 やってみたいが、うまくいかないのではないかと思うとやる気がしない

【レベル2】
 楽にできることならばやりたい
 確実な方法がわかり、それほど努力しなくても済みそうならやりたい
 誰かやる人がいれば、自分もその人と一緒にやってみたい
 空き時間をうまく使ってやってみたい

【レベル3】
 必ずうまくいくという方法があれば、多少努力してもやってみたい
 周りも理解して、アドバイスやサポートがあれば努力してやってみたい

【レベル4】
 確実な方法がわからなくても、今、できることから取り組んでいきたい
 周りからのアドバイスやサポートがなくてもやってみたい
 努力することは惜しまない

【レベル5】
 たとえ捨てるものがあったとしても、やってみたい
 多少のプレッシャーがあっても、負けないで何とかやり遂げたい
 たとえ休日や給与が減っても、それ以上にやる価値はあると感じる

【レベル6】
 いざとなれば全てを捨ててもやってみたい
 とてもできそうにないと感じることであってもやり遂げてみたい
 達成のためにはどんなプレッシャーにも負けない

【レベル7】
 命を賭けてもやり遂げてみたい
 不可能であるかどうかは関係ない
 どんな障害や問題に出合おうとも、やりたいという気持ちに変化は起きない
 自分はどうなってもかまわない

私は、【レベル5】でした。まだ思いが足りないようです。
皆様はいかがでしたか?

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  ◆ 「思いのレベル」が高まるテーマとは ◆
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前回のメールではコミュニティ経営の重要性をお伝えすると同時に、コミュニ
ティを創る核になるものを3つ考えました。

前月号はこちら
http://www.bcon.jp/mailmagazine/2013-02-26-11-23.html

 1.テーマ(人々が参画したくなるテーマ)
 2.熱意のあるリーダー
 3.Face to Faceでコミュニケーションする場

そのうちの1つ、「テーマ」の魅力は「思いのレベル」に比例すると思います。
それでは「思いのレベル」が高くなるテーマの設定と、低くなるテーマの設定
ではどのような違いがあるのでしょうか?

一般的に、経営や組織運営の合理化や効率化を考えたテーマの設定だと、全体
最適の視点から個人の思いは語られることが少なくなり、思いのレベルは高ま
りません。
そのような組織では、イノベーションも生まれず、企業の成長と個人の幸せの
ベクトルが合わなくなってきます。

例えば、このようなテーマの設定です。
会社としての目標や戦略は次のようなものです。

 ・株主に対して利益をお約束します。
 ・これを念頭に置いた綿密な経営計画を立てました。
 ・その数字を各部門、各課に割り当てます。
 ・社員個々人が目標にする数字が決まってきます。
 ・あとは個人がきちんと成果を挙げれば、課や部の目標数字もクリアできます。
 ・課や部の目標をクリアすれば、全社の目標も理論的には実現できるはずです。

「これを実現させるために、どうするかを考えましょう。」
というテーマを設定しても、熱い思いを寄せることは難しいでしょう。

対照的に「思いのレベル」が高くなるテーマ設定の例として、教授からは株式
会社ファーストリテイリングの柳井会長のものを教えて頂きました。

 ・服を変え、常識を変え、世界を変えていく!
 ・人々は豊かな個性を持っており、個性あふれる人々に、もっと自由に服を
  選び、自己表現につなげ、活気あふれる社会を作ってもらいたい
 ・ユニクロは既製のデザインの押しつけでもなく、「安かろう悪かろう」で
  もない。安価だが高品質。日本の技術と技能をフルに生かした良質な
  ファッションパーツを提供する「パーツカンパニー」を目指そう。そして
  世界ナンバー1になろう
 ・メーカーの政策に阻まれて、本当にお客さんに喜んでもらえる服が提供で
  きない
 ・製造小売業(SPA)に進出。リスクを取って自前でデザイン、製造しよう

柳井会長の言葉からは強い思いが伝わってきます。
そして、これを聞いたメンバーは共感し、自分の思いのレベルも高くなります。
ここに込められた要素を分解すると次の4つがありそうです。
 1.前提条件としての、自分のビジョンや思い
 2.ビジョン達成のための目標
 3.乗り越えるべき壁
 4.壁を突破するアクション

もちろん、これを1人で考えることもできますが、なかなか1人の英雄的なリー
ダーだけでは共感を呼ぶ「思いのレベルが高くなるテーマ」を創るのは難しい
でしょう。

魅力あるテーマを創るには、メンバーとともに、「これしかない」と思えるま
で話し合う場づくりが必要になります。

コミュニティにとって、重要な「魅力あるテーマ」について職場で対話してみ
ませんか?

やりがいと楽しさのあるコミュニティ作りの最初の一歩として、思いのある 
テーマを設定することから始めてみてはいかがでしょうか?

※1  MBB Management By Beliefの略語 思いのマネジメントの意
  企業内のMBOの両輪と位置付けてMBBと表している。
  MBOは「経営成果を確実に出していくためのマネジメントプロセス」とし、
  一方MBBは、「個人の主観を経営に反映させる思いの裏打ちの側面」と
  表現している   

※2  一條 和生、徳岡 晃一郎、野中 郁次郎
  『MBB:「思いのマネジメント」 ―知識創造経営の実践フレームワーク』
   (2010年) 東洋経済新報社 
 

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