株式会社 伊藤園

社員一人ひとりの職位・意欲に応じた能力開発・自己啓発教育〜『伊藤園大学』による人材育成の実践〜

  • 人材開発

2016年6月掲載

株式会社 伊藤園

株式会社 伊藤園

本社:
東京都渋谷区
事業内容:
茶葉(リーフ)および飲料(ドリンク)の製造・販売
従業員:
5,381名 (2015年4月30 日現在)
HP:
http://www.itoen.co.jp/

「お客様第一主義」を実践する人材育成のために

『伊藤園大学』は、「自己啓発教育の社内大学」として20年以上の歴史を持つ株式会社 伊藤園様の社内教育システムです。ビジネスコンサルタント(BCon)では、その『伊藤園大学』の一部講座を講師派遣という形でお手伝いしています。今回は職位に限らず多くの社員の方が意欲的に参加されている教育システム、『伊藤園大学』についてお話をうかがいました。

事業を広めるために始まった外部から学ぶ『伊藤園大学』という取り組み
その取り組みが今や伊藤園の教育を支える柱に

株式会社 伊藤園株式会社 伊藤園様は茶葉および飲料の製造・販売を行う日本有数の企業で、誰しもが一度はその製品を手に取ったことがある、そんな企業です。

お茶製品の製造・販売に留まらず、グループ各社で様々な事業を展開されている伊藤園様の企業理念は「お客様第一主義」。

その理念を実践する人材を育成するために、 『伊藤園大学』と称する社内大学の自己啓発教育システムがあります。

外部から学ぶ様々な講座を別日程で設けている企業様は多々ありますが、ご参加者約700名が同一会場で同一日程に受講する仕組みは『伊藤園大学』ならではの取り組みではないでしょうか。
今回は『伊藤園大学』の運営を担当されている、能力開発部 部長の萬様、同じく能力開発部の江森様に『伊藤園大学』についてのお話を中心に人材開発の在り方をうかがいました。

伊藤園大学の取り組み

事業を広めるために外部ノウハウや専門知識を学習する
  それが『伊藤園大学』の発端でした

設立趣旨

お〜いお茶

『伊藤園大学』は平成元年(1989年)からスタートしました。当時は「お~い お茶」などのヒット商品も出始め、これから伊藤園の事業を広めていくに当たって外部の知識やノウハウを取り入れていこう、将来の伊藤園を支える人材を育成する場を作っていこうと始まった取り組みでした。

今では27期生まで育ち、延べ11,924名の卒業者がいます。 積極的にキャリア形成を目指す社員に能力開発・自己啓発を援助する場を提供し、5年後、10年後の伊藤園を支える社員の育成の機会としています。

※平成21年(2009年)からは管理職層を対象とした『伊藤園大学院』も始まりました。
『伊藤園大学』では、知識の習得というインプット要素が強いのに対して、 『伊藤園大学院』では、経営的立場でのアウトプットや実践という部分に比重を置いています。
『伊藤園大学』でインプットした知識を、管理職層になった時にアウトプットする場として『伊藤園大学院』に繋げるという流れができています。

『伊藤園大学』とは

『伊藤園大学』は実際に大学がある訳ではなく、通年で行う社内教育システムです。
期初の受講生募集に始まり、年間の授業を受けて、卒業論文を提出することで卒業が認定される、この一連を『伊藤園大学』と呼んでいます。

■年間スケジュール

学習分野としては営業・財務・マーケティング・組織・グローバル・マネジメント・戦略立案など全16コース開設されていて、社員が受講したいコース1つを選択し申請する、という流れになります。

受講資格は、一部のコースを除いて、特に厳しい参加条件はなく、上司の承認も必要ありません。2年目以降の社員で学習したいという思いがあれば、原則全員が参加可能です。

『伊藤園大学』の特徴

①同一日程同一会場での研修開催
能力開発部 部長 萬 伸一様
能力開発部 部長
萬 伸一様

全16コース用意している自己啓発教育を、各々異なる日程で開催するわけではありません。『伊藤園大学』は、スクーリング(集合研修)を一律上期と下期に1泊2日で開催します。参加者約700名全員がその日に同一会場に集まって受講するという、社内教育の仕組みです。

事業所が日本全国に散らばっているので、この日ばかりは同期や同職種のメンバーで集まることを大切にしています。教育の場ではありながらも、社内コミュニケーションの大きな柱となっています。年間約700名程、全社員の約1割の社員が参加します。研修会場や宿泊会場の手配・運営などは大変ですが、当社の重要な場として27年継続しています。

②伊藤園大学長は社長

毎年上期のスクーリング開校日には当社社長本庄大介が伊藤園大学長として全受講生を前に開校挨拶をします。
【世界のティーカンパニー】としてのビジョンに向かって組織がどうありたいか、伊藤園に働く社員としてどうあってほしいか、そして自ら学ぶことの重要性などのトップ(社長)自らの想いをメッセージします。伊藤園大学は社長肝入りの人材育成です。

③入学金・受講料は自己負担

伊藤園大学は入学金・受講料を徴収する形で運営しており、受講生が無事卒業した場合は、受講料を返金する仕組みをとっています。自分で受けたい講座を選択しているので、積極的に取り組む事ができています。

④卒業論文の提出は必須

集合研修に参加するのみでなく、年間を通じての通信課題や必読書に加え、総仕上げとしての卒業論文の提出が義務づけられています。1年間の学びを振り返り、今後の仕事にいかしていくためにも、卒業論文の提出は大切なプロセスだと考えています。そして講師が確認して修了が認められれば無事卒業となるわけです。

⑤キャリア形成に必要な伊藤園大学歴

株式会社 伊藤園 萬様、江森様当社では、学歴・性別・国籍・年齢は重要だと考えていませんが、「伊藤園大学のカリキュラムの終了」は伊藤園における学歴としてトップが重要視しています。そのため、職位に付くための条件として伊藤園大学の受講が必要であるなど、今や伊藤園の中でのキャリア形成に欠かせない社内教育システムです。

伊藤園の人材育成

「お客様第一主義」を実践し、「世界のティーカンパニー」を実現する人材を育成するために

伊藤園は経営理念の「お客様第一主義(※1) 」 を実践し、長期ビジョン 「世界のティーカンパニー(※2) 」を実現するために様々な取り組みをしています。中でも最も大切な財産は「人」であるという考え方に基づき、人材育成に力を入れています。

伊藤園の教育体系は5種類から成り立っていて、役割やその人に必要と思われる教育を用意しています(下記参照) 。
 【必須】年次や資格の変化に応じたステージアップのための育成
 【選択必須】職位の変化に応じたステージアップのための育成
 【指定・OJT】職場や職種ごとのOJTや伝承されていく育成
 【選抜指名】会社指定の人材育成
 【自己啓発】自らの意思で学習しようとする人のための機会

中でも、当社では自ら積極的にキャリア形成や学習しようとする人材への門戸を広げていて、自己啓発の分野にとても力を入れています。社内大学としての『伊藤園大学』や独自の社内制度として構えている「ティーテイスター制度」 などがあります。

■株式会社 伊藤園の教育体系

※1「お客様第一主義」の実践 〜全てのお客様を大切にすることが経営の基本である〜
Voice制度によるお客様視点での企画提案

能力開発部(取材当時) 江森 真様
能力開発部(取材当時)
江森 真様

当社の経営理念である「お客様第一主義」を全ての社員が心に留めて業務を行っております。それを仕組み化した制度がVoice制度と呼ばれるものです。

これは、お客様が実際に何を欲していらっしゃるのか、不満に思ってらっしゃるのか?を全社員が職位・職種・社歴関係なく、お客様目線で企画・提案できる仕組みです。日々の生活や業務で感じた気づきを元に商品の企画・提案を投稿でき、だいたい1年に1万通ほどのアイデアがでてきます。年一回、表彰も行っており、提案が採用された場合、社員誰でもが自分の企画した商品が店頭に並ぶ可能性もあります。
全社員がマーケティング思考を持ち、お客様の心の声を社内に反映していける、そういった社風だからこそ、常識や前例にとらわれないアイデアが生まれ、お客様にとって最適なものを提供することができるのです。

※2「世界のティーカンパニー」実現のために
〜ティーテイスター制度によるお茶文化の流布~

ティーテイスター講座風景

「世界のティーカンパニー」を実現していく人材を輩出するために、社内制度として「ティーテイスター制度」を1994年より設けています。お茶に関する高い知識と技術を持つ社員に資格を与え、知識と技術の向上、社内外への茶文化の普及などを目指したものです。職種を問わず自己申請で資格取得に臨むことができ、1級には茶道の許状取得者などもいます。資格を取って被災地へボランティアに出向くなど、お茶に対しての想いを持ち、お茶を通じて社会貢献をしていきたいと思う人材が当社には多く育ってくれています。

〜海外進出のための人材育成とその評価~

当社では「世界のティーカンパニー」実現のために海外への進出を現在積極的に行っています。 『伊藤園大学』ではグローバルコースを設けて、海外研修を含むカリキュラムを用意しています。これらのカリキュラムを受けた上で、入社3年目以上の希望する社員の能力、英語力を総合的に判断し、最終的には役員面接をもって選抜を行ないます。職種は特に問いません。

能力の評価は、条件を満たした希望者をできるだけ公平に見るために直接の上司の評価だけではなく、その上の間接上司も評価を行ないます。普段から個人をしっかり見ているからこそできることだと思います。 当社はチャレンジ精神が非常に強い会社です。特に若い人は失敗を恐れず積極的にチャレンジする事を恐れないでほしいと考えています。失敗を恐れて何もしないのが一番良くないことだという社風です。

ビジネスコンサルタント(BCon)とのご縁

伊藤園のビジョン・文化・歴史を理解してくれているBCon
だからこそ受講生にひびくのです

『伊藤園大学』という大きな枠組を構え、その中で外部の方の知識が必要と思われる講座を、外部講師を招聘して開講しています。BConには、 1998年より18年連続してお付き合いいただいており、BConの得意とする「組織」 や「営業」分野の講座をお任せしています。

能力開発部 部長 萬 伸一様

特に「組織-チームマネジメント」の講座は人気があり、受講希望者も多く、例年3〜4クラス程の編成になります。当社では『お客様第一主義』という経営理念を実践しており、経営方針の一つに「チーム伊藤園」があります。その考え方に即して気づきを与えてくれる内容となっており、当社としてもチームマネジメントを理解する社員が多くなることに感謝しています。
BConの講師の方は難しい言葉は使わず、非常に実践的であり社員の心にひびく事例でお話くださるので、毎年100名以上の希望者がいる状態です。

また、「営業」に関する講座ではBConの持つノウハウにも強く期待しています。 当社の営業は、顧客との関係性を築くのは得意なのですが、論理的な展開力に関しては、少々苦手です。そこで言うとBConの講師陣は、営業を経験した講師を派遣してくださるので、どのようにお客さまの問題解決をするとお喜びいただけるのか、どのように商談を進めていけば気持ちよくお取引が深まっていくのか、などを実体験も踏まえてお話くださいます。

また、拠点マネジメントについても、メンバーとの関わりや拠点長自身の在り方など、業績向上に向けた拠点経営を教えていただけます。様々なノウハウや理論を交えて、私たちの不足している部分をしっかりと指摘いただくことができるので感謝しています。

BConは講師としてのスキルが高く、複数の方に関わっていただきますが、不安がありません。BCon社内で当社が必要とするコンサルタントを見極めてコーディネートをしてくださるので、安心して社員をお預けできます。

『伊藤園大学』の場合、BConから見ると私たちは顧客という立場上、言い辛いこともたくさんあるかと思いますが、長年お付き合いがあることで、我々にとっては耳が痛い点もご指摘いただけています。内部の私たちが何となく感じていたことを外部の方からの視点として指摘してくださる、これは本当に助かっています。

今後への期待

能力開発部 部長 萬 伸一様

長年のお付き合いで当社のことをしっかり知ってくださっているからこそできる、一般的な理論を伊藤園に即した内容に落とし込んだ研修は、まさに痒いところに手が届くという感じです。加えて、様々な会社とのお付き合いの中で実践を積み重ねられた事例の紹介、そこからの提案は非常に役立っています。

当社営業は消費者の皆様の購買活動や動きがよくわかる現場にいます。今後そのマーケティング機能をより販売先の皆様のお役に立てていただける情報へと変化させ、販売先様に喜んでいただける我々になっていきたいと思っていますので、ぜひお力添えをいただければと思っています。

BConの様々なノウハウや情報を、今後とも我が社のために引き続きご提供いただければ助かります。

担当コンサルタントより

『伊藤園大学』で初めて研修を実施させて頂いた時、参加者700名が同一会場に集まって16コースが開催されている状況に、最初はとても驚きました。会場全体のエネルギーが高く、伊藤園様の勢い・活気を感じました。そして、受講料は自己負担で無事卒業したら返金されるという仕組みをお聞きし、「だから緊張感があり、ここまで真剣なのか」と感心しました。
当社のコンサルタントは営業職を10年以上経験し、営業所長としてマネジメントも経験した上でお客さまの前に立って「言行一致」で仕事をするという姿勢を貫いています。今回、伊藤園様より「BConの講師は難しい言葉は使わず、非常に実践的で社員の心にひびく話をする」「自分達が不足している部分をしっかりと指摘してくれる」「講師としてのスキルが高く複数の講師に関わってもらっても不安がありません」という評価を頂きました。当社が大事にしている価値観をお客様がきちんと評価してくださったことに、大変感謝しております。また誇りに思います。今後とも伊藤園様の外部ブレーンとして人材育成における一翼を担えれば幸いです。

編集者より読者の皆様へ

今回は、『伊藤園大学』という株式会社 伊藤園様が構築された教育の枠組みに講師派遣という方法で協力させていただいている事例を紹介致しました。組織のビジョンを見据え、ご担当者様がデザインされた教育の意図を理解した上で、自社のノウハウを活用して受講生を導いていく、それが外部講師としてのBConコンサルタントの役割です。
BConではお客さま組織の抱える課題の本質に対して、最も必要と考えられる解決手段を提案し、組織全体に対する変革提案からピンポイントでの教育提案まで幅広く対応しております。
組織に課題を抱えておられるお客様は是非一度ご相談下さい。


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